グリー田中社長が語る「優れたエンジニア」 最先端を走り続けるエンジニアの素質とは
グリーはどこへ向かうのか
――会社としてのグリーの今後について伺います。短期あるいは中長期的にはどのような目標があるのでしょうか。
田中 まずSNS「GREE」やソーシャルアプリのユーザーの拡大ですね。先日1500万人を突破しましたが、さらに2000万人、3000万人を目指してゆきます。一方、長期的に考えると、グリーはSNSやゲームに固執していません。インターネットを利用する人に、どのような価値やサービスを提供できるかを柔軟に考えています。ソーシャルアプリのように、それまで世の中になかったものがグリーから誕生する可能性は、まだまだありますよ。
私たちがSNSをはじめた頃は「SNSは誰も使わない」と言われていました。モバイル対応を推進した時も「SNSはPC向けのもの」と白い目で見られました。ゲームを重視したときは「今さらゲームに注力して、意味があるのか」など、社外では評されていました。しかしユーザーがこれらを求め、そして受け入れていってくれたことをグリーは証明してきました。もちろんグリーにも失敗したサービスや、廃止したサービスもあります。当たり前のことですが、いくつもの失敗の上にしか、成功は築けないのです。
――このように、時代の最先端を走り続けることができた理由はどこにあるのでしょうか。
田中 会社の総合力です。サービスは、その会社の力を使った最後に出てくる結晶です。会社の力というのは、社内のエンジニアたちが新しい発想を、高い技術で実現していく力を意味します。つまり、純粋な努力の結果だとも言えます。
そしてエンジニアに高い水準を保ってもらうのが自分の役割のひとつだと考えています。そのために私は、彼らに高い目標を持ち続けてもらうことを常に意識しています。スキルが高い人ほど、“現実的な目標”を想定しがちです。成果をいかに押し上げるかは、高い目標に対してどれだけ実力以上の力を発揮できるかにかかっていると思います。達成できた場合、それがその人の実力の伸長にもなりますよね。
高い目標を持つというのは、達成不可能な大げさな数値を言う事ではありません。それをどうやって達成しようか、知恵を絞って努力することです。もっと上の目線で物事を考えることが必要ではないか、ということを必ず問うようにしています。
ライバルこそがレベルアップの原動力
――社内のエンジニア同士はどのような関係なのでしょうか。
田中 良い意味でのライバル関係です。技術でも企画でも、真剣に取り組んでいる人は周囲に影響を与えますよね。グリー社内ではそうした人が何人もいて、切磋琢磨しています。この磨き合える環境こそが、ユーザーへ質の高いサービスを提供できる原動力だと思います。
他にも「自分より努力している人がいる。自分も負けていられないな」というようなムードを醸成することを意識しています。良いライバル関係というのは、互いに尊敬し合えるものです。それが結果としてサービス向上につながっていると思います。
――良い意味での負けず嫌い同士が刺激し合う関係のような雰囲気作りを意識しているのですね。
田中 ええ。慰め合う関係では、意味がないですから(笑)。問題点を見つけたら、見逃すのではなく、指摘し合えるような関係とも言えますね。
――今後もインターネットの分野で最先端であり続けられる確信はあるのでしょうか。
田中 インターネット業界はとにかく流れが速いのが特徴です。昨日までの最先端が、今日はもう後追いになってしまうこともあります。トップランナーで居続けるには、そうあり続けたいという信念を持ち続けることが大事です。社会に影響を与える事を自分たちの手でやりたいという意思や、この企画を実現させる事が世の中のために一番良いのだと思い続けることが大切だと思います。
私が「GREE」を開始した時点では、決してSNSの最先端ではありませんでした。しかしユーザーが増え、SNSが流行したことで、結果として“この場所”が最先端ということになりました。ソーシャルアプリも同様です。モバイルでゲームをするということ自体は元々あったものですが、新しい価値を付加していったことで尖っていくことができたのだと思います。
グリーのエンジニア連載特集
【第1回】
求めているのはSIerのエンジニア!最もホットなインターネットサービス、グリーの魅力と技術力とは
藤本真樹氏
【第2回】SNS「GREE」のリニューアルを成功させた3人のエンジニアに聞く!
荒木 英士氏
山家 匠氏
平山 宗介氏
【第3回】SNSの常識を変えたソーシャルアプリ『釣り★スタ』成功の真相
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エンジニア/プロダクト責任者
岸田 崇志氏
【第4回】グリー田中社長が語る「優れたエンジニア」
田中 良和氏
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