Google が予測するディスプレイ広告の将来と進化する DoubleClick のプラットフォーム
新たなトレンドを生む「モバイル」
モバイルはディスプレイ広告の新たなトレンドとなっている。消費者はより多くの時間を、スマートフォンをはじめとしたモバイル端末で過ごすようになった。これにより、属性ターゲティングや地域ターゲティングといった既存の広告技術に加え、「ハイパーローカル」と呼ばれるピンポイントなターゲティング技術が生まれた。
米国でのNikeの事例は興味深い。屋外の看板を携帯電話のカメラで撮影して、Google Goggles で検索すると、 Nike からのメッセージがモバイル端末で見られる。看板そのものにはインタラクティブな要素はないが、モバイル端末と組み合わせることで、クリエイティブかつフィジカルなメディアに変貌した一例だ。

画像認識サービスにアップロードすると、詳細な情報が表示される仕組み。
アウトドアとモバイルインターネットの相性は良い。そのためモバイルにはより多くの広告機会、そして緻密なターゲティングの機会が生まれる。それゆえ今後はより多くの広告主がオンラインに移行するのではないかとスピテリ氏は予想している。
クリック以外の「新広告指標」
もう一つのトレンドはキャンペーンの広告測定におけるクリック以外の指標だ。これまでは広告のクリック数、コンバージョン数などが主な指標とされてきたが、いまはより広範囲に分析できる技術を使って ROI を測定できる。ウェブ検索数、オフラインのコンバージョンなども計測可能だ。

あるキャンペーンでは、商品購入者の 86% の人が広告をクリックせずに購入していたことがわかった。この数字は購入者のうち誰がオンライン広告キャンペーンを見たかを測定することで把握できた。
つまり、キーメッセージはこうだ。「もはやクリック数だけ見ていればいいわけではない。ユーザーはディスプレイ広告を見た後、ウェブブラウザで広告主のサイトのURLを直接入力したかもしれない。我々のプラットフォームは、広告がクリックされなくてもコンバージョンをトラッキングできる。広告の効果測定において、クリックのみがキャンペーンの測定基準ではなくなりつつある」(スピテリ氏)
広告はサイエンス×クリエイティブ
こうしたモバイルの可能性や新しい効果測定指標を駆使すれば、ユーザーに完璧にマッチしたディスプレイ広告をリアルタイムに届けることができるという。
「オンライン広告は科学と創造力を組み合わせたプロセスだ。広告代理店にはデータの分析や応用能力と同時に、クリエイティブな才能も駆使して、オンライン広告を活用できるように期待する」(スピテリ氏)
こういった理想を叶えるのが Google の持つ広範なディスプレイ広告プラットフォームだ。広告主から広告代理店、メディアまで、オンライン広告に関わるあらゆる人を強力にサポートする製品群を揃えている

広告主や広告代理店向けには広告配信管理ツール「 DoubleClick for Advertisers 」を、メディア向けには同じく Google 買収前からトップシェアを誇るアドサーバ「 DoubleClick for Publishers 」を提供する。それらに加えて、アドエクスチェンジやサイト分析ツールなどについても、 Google はすでにラインアップを整えた。
効果的な広告を制作し、消費者に届けるために必要な製品・サービスを1つの Google アカウントで管理できることが、 Google ディスプレイ広告プラットフォームの強みだ。この強みゆえに、広告主の投資は最小に、メディアの利益は最大に、そしてあらゆる関係者の作業量は劇的に削減できる。実際の製品/サービスラインアップとその特徴については次回解説する。
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アジア太平洋地域担当 Director of Platforms
同社の収益の向上やコスト削減など、オンラインビジネスのパフォーマンスを最大限に引き出すことに貢献した。
また 米国24/7メディア、香港チャイナドットコム(NASDAQ: CHINA) の合弁会社24/7メディアアジアのCOO歴任のほか、アジアパシフィックの多国籍企業におけるエグゼクティブで構成されるThe Economist Group のリーダーも務めた経歴を持つ。
メルボルン大学 ビジネス学士号、南京師範大学 中国語准学士号 取得。





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