ここ数年のインクジェットプリンタの変化を見ていると、機能別に特化した製品が目立つ。たとえば、モノクロを高速プリントできるシンプルなプリンタや、持ち運べるサイズの小型プリンタなどが代表的だ。しかし、実際にお金を出してどれか1台を買おうと思えば、プリンタ、スキャナ、コピー、ダイレクトプリントの4つを兼ねる複合機が、ダントツで魅力的に見える。
毎年新製品が発表されるエプソンのプリンタ「カラリオ」だが、今年のデザインには個人的にとても驚いた。DVDプレーヤーのような箱形でブラック一色の、AV機器のような雰囲気があるデザインだったからだ。
実は、個人的に長年エプソンのプリンタを使ってきたが、エプソンの複合機には上面が大きめで足もとが細くなっている、逆三角形の形をしたイメージが強かった。それが、すっかりスリムなデザインになっている。実際に目の前にすると、なんだか和風の落ち着いた雰囲気も感じるほどだ。
今回レビューしたこのEP-901Fは、スキャナ機能だけでなくFAX機能も搭載したハイエンドモデルで、FAXやコピーのときに用紙が複数枚セットできるADF(オートドキュメントフィーダ)が上部に付いている分、厚めにはなっているものの、それでも以前からは劇的に変化している。
EP-901Fを箱から出して最初に目に入るのが、前面の大きなタッチパネル。このパネルは最大90度まで上に開き、好きなところで止められるチルト液晶だ。上に開いた状態を解除するには、パネル左の[パネル角度]ボタンを押すと元に戻る。
タッチパネルでの操作には、iTouch以降だいぶ慣れたが、このEP-901Fもメニューの切り替えのスムーズな動きにそんな雰囲気がある。全体的にブラックをベースにしたシンプルなデザインだが、中央に入ったシルバーのラインがアクセントになっており、このラインの一部にデザインされている、パネルの下のLEDランプは、動作中青く光り、離れたところからでも動作状況がわかるので安心。夜などは鮮やかだ。
厳密にいうと、操作パネル全体が液晶なのではない。中央に3.5型のタッチパネル式のカラー液晶モニターが配置され、その左右にもタッチパネルのボタンが並んでいる。左右のボタンは必要な部分だけが光り、関係ない部分はブラックアウトする。右にしか進めないときは右しか表示されないわけだ。ボタンの数が多すぎて迷わないようにという配慮だろう。実際使ってみると、確かにこの方が判断が速くできてスムーズに進めると感じた。
もともと、複合機は機能が多い傾向にあるが、このEP-901Fはまるでコンビニにある業務用のマルチメディア端末をぎゅっとコンパクトにしたようだ。デジカメの記録メディアからのダイレクトプリントや、CD/DVDのレーベルプリントはもちろん、ケータイからの無線プリント、パソコンなしでの記録メディアのバックアップ、手書きプリントなど機能は数え切れない。基本的には、使うシチュエーションによって使う機能が分かれると考えて、ここではSOHOでビジネスユースに利用する場合と、リビングに置いて家族で使う場合に分けて検証してみたい。
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