このパターンはすでに稼働しているシステムをクラウド環境へ移行させるというものです。何らかの問題が発生している場合はその解決を目指すことになり、問題が起きていない場合は管理コストの削減や安定運用に向けた取り組みとなります。
既存システムをクラウド化するメリットは以下の通りです。
安定運用が行えているシステムにはなるべく手を出さないというのが心情ではあるものの、物理ハードの故障への対策からシステムの復旧、データの復元、障害発生時の代替策までしっかり行える環境は多くの企業で持てていないのが現状だと思います。クラウド環境に移行する事でこれらのスポットでのリソース確保が圧倒的に行いやすくなります。単純な費用対効果だけではなく、こういった起こりうる事態が発生してしまった時の予想される費用についても対応が可能であることはクラウド化するメリットと言えるでしょう。
1や2のような企業システムへ直結するアプローチに加え、ある意味ではとても理解を得にくい企業システムの側面にもクラウドは効果を期待できます。
これら2つの観点から考えると以下のような利用が考えられます。
いずれも、余裕があれば取り組みたいという課題だと思います。このような課題は予算が取りにくく優先順位が下げられがちですが、クラウドを活用することで初期費用を経費の範囲から始められます。ことが起きてからでは手遅れという課題はできないと思っているため忘れがちなのですが、クラウドの力を活用する事で管理レベルを上げる活動が可能となります。
ここまで企業の情報システムにおいて、クラウドを利用しやすいシーンを考えてきました。 後編では、クラウドの利用を進めるための各フェーズに沿って、どのように利用すれば良いかを具体的に考えてみます。
フェーズとは
でご紹介します。
それぞれ、構成例と試算を行い、トータルのライフサイクルでどのような費用が発生しそうかを実際に考えてみます。
【パブリッククラウド導入大作戦!】第1回 今更聞けない!”クラウド”を正しく理解しよう |
【パブリッククラウド導入大作戦!】第2回 セキュリティリスクとクラウド環境 |
---|---|
「クラウドって何?」と聞かれて、きっちり説明できますでしょうか?実はあいまいだったりしませんか? |
「セキュリティーとは何であるか」「セキュリティ対策へ取り組む方針」「守るべきポイントと対応策」「セキュリティー担保への5つの方針」をお届けします。 |
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境