クラウド導入を決めた企業が知っておくべき、 正しいIaaS選定の3ポイント

CNET Japan Ad Special2012年11月29日 11時00分
ニフティクラウドみんなのかわら版

クラウドに対する「思い込み」にとらわれていませんか?
解説:ノークリサーチ 岩上由高シニアアナリスト

 サービス提供者が増え、選定の幅が大きく広がってきたパブリッククラウド。中でもクラウド事業者のリソースを迅速、柔軟に活用できるIaaSは、ビジネスのスピードを一気に加速することにもつながり、注目度は高い。だが反面、事業の規模や目的によって、どのようにクラウドを選定すればいいのか、わかりにくさが出ているのも現状だ。特に初めてクラウド導入を検討するような企業は、何を意識した上で、具体的なクラウドサービスの選定を行えばいいのだろうか。

 そういった場面において、「手軽ですぐに運用コスト削減ができると考えるケースが多いが、それは間違い」と指摘するのは、ノークリサーチのシニアアナリスト、岩上由高氏だ。同社は中堅・中小企業を対象としたIT調査会社として、IT産業の調査・研究からコンサルティングまで手掛ける。その岩上氏に、IaaSの間違いのない選び方や価値ある使い方についてのポイントを聞いた。岩上氏は、「分りやすくクラウドを自動車に例えると、安価で誰にでも乗れるATの一般車のイメージではなく、むしろハイスペックな、マニュアルのスポーツカーに近いとらえ方をすべき」と語る。その真意とは?

パブリックなIaaS本来の特性は、無条件に安くなることではない

--パブリッククラウドの中でもIaaSが増えてきて選択の自由度が増していますね。

岩上氏(以下敬称略)確かに、これまではAmazon Web ServicesやIBM SmarterCloud Enterprise(SCE)など海外勢が主流でしたが、ニフティクラウドなどの国産も実績を重ねてブランドを定着させつつあります。

 そうしたパブリッククラウドですが、国内での活用状況はというと、意外にもまだ普及の入口にも立ってはいないといった状況です。当社ノークリサーチが年商500億円未満の企業1000社を対象に2012年6月中旬に実施した「2012年版SaaS/クラウド市場の実態と中期予測レポート」では、IaaSとPaaSを合わせたパブリックな基盤サービスを活用しないと応えた企業が80.8%に達したことが分かりました。

 ただし、PaaSより利用比率の低いIaaSであっても、活用中の企業は年商500億円未満の全ての従業員規模の合計で10%を超え、活用予定や検討中を含めると3割近くに達するなど、少ないながらも着実に浸透し始めていることが見て取れます。


年商500億円未満の企業における「パブリックなIaaS」の活用状況 (以下、ノークリサーチ調べ)

--期待はできますが、そもそもパブリックIaaSの活用を阻害している要因とはなんでしょうか。

岩上:最も大きな要因は、クラウドならとにかく安くなるという過剰な期待があることです。パブリックなIaaSも含めたクラウド全般についてはIT関連コスト、中でも維持コストを削減できる手段として喧伝されてきたことが大きな要因です。

 しかし、クラウドが持つ本来の特性は無条件に安くなることではありません。もちろんコスト削減はメリットのひとつですが、巨大なITリソースをプール化することで、ユーザーが使いたいリソースの容量や性能を必要に応じて増減できる「伸縮性」や、いつでもITリソースの調達を素早く行える「迅速性」が手に入ることがクラウドならではの特徴といえます。これに気付いていない中堅・中小企業が多いのが現実です。

 また、パブリックなIaaSを考える際に、仮想サーバーのホスティングとの違いを認識することも必要です。

--どこが違うのでしょうか。

岩上:昔のホスティングは1顧客/1物理サーバーで運用されてきましたが、近年ではVPS(Virtual Private Server)のような仮想サーバーのレンタルサービスや、物理サーバーの上に仮想レイヤを設けてマルチテナントで顧客の環境を運用するサービスなどが定着しています。これとパブリックIaaSとの違いは、まさに先ほど申し上げた伸縮性や迅速性であり、仮想サーバー自体も自由に増減できるし、1つの仮想サーバーの中でもメモリやCPUを必要に応じて強化できるのがパブリックなIaaSの強みです。

 先ほど挙げた、「パブリックな基盤サービスを活用しない」と考える企業が多く見受けられる背景には、伸縮性や迅速性といったクラウドならではのメリットを考慮に入れないまま、ホスティングやVPSサービスよりもIaaSの方が高額であると捉えてしまっていることも影響していると考えられます。

 また、中堅・中小企業はシステム規模が大きくないため、IT関連の維持コストを削減する目的でIaaSを導入しても期待した効果が得られなかったり、クラウド環境へのデータ移管などの初期投資の負担が大きくなったりすることもあります。パブリックなIaaSを導入すればどんな企業でもIT関連の維持コストを削減できるというわけではないのです。

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