キャリアチェンジ転職の表と裏
キャリアチェンジ転職に成功した人たちの“入社後”にスポットを当てます。念願かなってやりたい仕事を手に入れた人たちは、転職に満足しているのか。以前の仕事とのギャップに戸惑いはないのか。成功者に本音を聞きました。
調査方法: 外部機関によるWEBアンケート調査
実施期間: 2010/2/18(木)~2/22(月)
調査対象: 業界または職種が変わる転職を、1年以内に実現された方 100名
転職の満足度は、入社動機で明暗が分かれる


キャリアチェンジの感想は、「満足」と「どちらかといえば満足」を合わせると82%と、全体的に満足しているという結果に。「やりたい仕事があった」などの本来の目的が達成できただけでなく、「社風がいい」「スキルアップできる」といったプラスの変化を実感する声も多く聞かれました。
ただし、入社動機別に見ると、「特に理由はないが内定が出たから」という動機の人は、約半数が「どちらかといえば不満足」「不満足」と回答(図2)。目的のない転職が失敗につながりやすいことがうかがえます。
アンケート回答者の声
- 「上司と同僚に恵まれ、人として尊敬できる人たちに出会えた」
(25歳/飲食会社→福祉関連会社/ H・Sさん) - 「年収は下がったが、様々な仕事を任されるポジションになった」
(30歳/Web制作会社→印刷会社/ A・Yさん) - 「入社直後に経営状態が悪化し、賞与がゼロに。ただでさえ前職より給料が下がっているので生活できない」
(39歳/専門商社→印刷会社/K・Mさん)
環境の変化に戸惑う人も多い

キャリアチェンジが原因で入社後に困ったことを聞いたところ「特にない」と答えたのは20人。残りの80人は何らかの問題に直面しています。
1位にあがった給与ダウンのほか、業界のルールや仕事の進め方など、環境の変化に戸惑う項目が上位にランクイン。4位には、「結果をすぐに出せない」という悩みも登場しています。未経験でも即戦力として期待されるのが中途入社者の現実。プレッシャーに悩む人も少なくないようです。
経験者の転職ですら、入社後の環境変化には戸惑うもの。業界や職種が変わる転職となると、その戸惑いはさらに大きいことでしょう。
とはいえ、キャリアチェンジをする以上は、たいていの変化は想定の範囲内と捉えて、前向きに乗り越えることが必要です。また、入社前に転職先の業界の専門紙などに目を通して情報収集するなど、スムーズに仕事に馴染めるような準備をしておくことも大切です。
やり直せるなら、キャリアチェンジは望まないという人も

図のように、全体の約8割が転職におおむね満足していますが、「転職をやり直せるなら」と仮定した質問で「同じキャリアチェンジを望む」と答えた人は47%。半数を超える人は、今回とは違う選択をしたいと考えています。中でも前述の質問で、「結果がすぐに出せない」という悩みをあげた人は、約7割が「キャリアチェンジは望まない」と回答。やりたかった仕事を手に入れたものの、現実は思った以上に厳しいようです。
「思った以上に仕事が大変」、「想像していた仕事と違う」。キャリアチェンジの転職に、こんな印象を持つ人は多いようです。事前のリサーチ不足や過度の期待など、さまざまな要因が考えられますが、よく聞かれるのは安易に決めてしまったがための後悔。軽い気持ちでキャリアチェンジを望むのは、お勧めできません。なぜその仕事をしたいのか、なぞその業界に転職したいのかをよく考えて、キャリアチェンジのメリットやデメリット、起こりうるリスクなどに十分に納得したうえで臨むようにしてください。
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部