スタンフォード大学で機械工学を専攻する学生が、ヤモリの指のように粘着性のある物体を開発した。
スタンフォード大学機械工学大学院博士課程の学生Elliot Hawkes氏らが開発したのは、ヤモリの足のように繰り返しくっつけたり離したりできる物体だ。この物体は、磁石も電気も必要としない。
「迅速に壁を歩くことのできる動物は何か議論していたところ、ヤモリにたどり着いた。表面がなめらかでもデコボコでも、秒速1メートルで上下左右どの方向にも移動できるのだから」と、スタンフォード大学機械工学教授のMark Cutkosky氏は開発の経緯を語る。
Hawkes氏によると、この物体はシリコンゴム製のためべとべとしておらず、重さが加わることで粘着するのだという。この発明を使ってHawkes氏は、ゆっくりではあるが12フィート(約3.7メートル)の壁を登ることに成功した。
この物体には、目には見えない細かいくさび状のものがたくさんついており、これが接着剤の役目を果たしている。「先端がのこぎり状になっているので、通常表面に触れる部分はごくわずかだが、力を加えると折れ曲がって触れる部分が大きくなる」とCutkosky氏は説明する。
ほとんどが手作りのため大量生産は難しいというが、米航空宇宙局(NASA)ではこの物体を使って宇宙ゴミを回収することを検討中だ。また、ある自動車メーカーではガラスの取り付け作業の効率化につながるのではないかと考えている。
ただし、スタンフォード大学ではこの物体を壁登り用デバイスとして提供する予定はないとのことだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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