震災から4カ月。業界、企業への影響と採用動向
震災から4カ月、企業に与えた影響や採用の動きは?
震災の影響はほとんど見られず、活発な採用が続く
巨大地震、津波、原発事故と未曾有の国難に面し、経済活動にも大きな影響が及びました。これを受け、求人市況も悪化するかと思われましたが、求人件数に大きな落ち込みは見られませんでした。
震災直後は計画停電や交通網の混乱により面接が延期となるなど、採用活動が停滞しましたが、4月からは正常化。震災前からの求人は継続しており、更に新規の求人も出てきています。アプリ分野では、製造業を顧客とする企業がやや慎重姿勢に傾いていますが、インフラ、ネット分野では活発な採用が続いています。
なお、インフラエンジニアの皆さんの中には、震災によるサーバトラブルの復旧作業に追われたり、スケジュールが押して多忙になるなどして、転職活動を中断した方も多数。転職活動を続行された方にとっては、一時的に競争相手が減った状態となりました。
EC分野の採用が活発化。アプリ系は製造業の動向を注視
EC関連の求人は震災以前より増加傾向にありましたが、一段とニーズが高まった感があります。震災後、店舗流通が滞り、さまざまな物が品薄状態に。ECの利用が拡大したのを機に、EC強化の動きが加速したといえるかもしれません。
一方、アプリ系の求人は、震災の影響がこれから出てくる可能性があります。電力不足や部品調達難が製造業の業績に及ぼす影響はまだまだ不透明。IT各社は製造業の動向を見守っている状況です。
また、震災以降、非常時に備える意識が高まっており、西日本でデータセンターサービスの需要が増加しています。各社、データセンターの増強に乗り出しており、関連求人の伸びが期待できそうです。
新卒の選考が後ろ倒しに。年度の中途採用計画もスタートが遅れる
例年は、新卒採用活動が一段落した後、5月中旬から6月にかけて年度の中途採用計画が動き始めます。しかし、今年は被災学生への配慮から、大手企業を中心に新卒採用の選考が後ろ倒しとなりました。それに伴い、中途採用の立ち上がりも遅れ、6~7月から本格的にスタートする企業が多数見られます。
復興政策に応じて、新たな人材ニーズが生まれる可能性あり
震災以降、政府の対応の遅れが指摘されており、復興計画もまだまだ不透明な部分が多い状態です。
今後方針が固まるにつれて、新たな事業計画が組まれ、人材ニーズが発生する可能性もあります。
政策と業界動向を注視しつつ、求人情報収集を続け、ご自身のキャリアを生かすチャンス、やりたい仕事を手に入れるチャンスを探ってください。
上半期の転職活動のポイント
6~7月は求人増加が見込める。「ボーナス支給後に転職」が叶いやすい
先にお伝えしたとおり、震災により新卒採用スケジュールが後ろ倒しになったことから、中途採用も例年より遅れてのスタートとなります。6~7月は年度の中途採用計画が動き出し、新たな求人が出てきますので、見逃すことのないよう情報収集を続けてください。
今から転職活動をスタートすれば、「ボーナスを受け取ってから退職交渉に入れる」「区切りのいい9月末退社~10月1日入社」というメリットもあります。
今年の転職を考えているなら、上半期中の活動がおすすめ
被災地の復興、原発問題の収束にはまだまだ時間を要し、日本経済の先行きも不透明。特にアプリ分野では今後、採用意欲が低下する可能性もあります。上半期中は求人市場が安定していることが予想されますので、「動けるうちに動いておく」ことをおすすめします。
節電対応で勤務体系がイレギュラーに。面接設定にメリットとデメリット
今夏、政府からの節電要請を受け、多くの企業でイレギュラーな勤務体系となります。たとえば「始業時間の繰り上げ」「平日休業、土日操業」「休日や夏季休暇の拡大」「職場ごとの休日分散」などの対策が取られます。
これにより、人事担当者と現場の面接担当者のスケジュールが合わず、面接調整が難航する可能性があります。選考結果が出るまでに予想以上の時間がかかる恐れもありますので、スケジューリングには注意が必要です。
一方、新たなチャンスも生まれます。早朝や土日に面接を受けられる可能性が出てくるのです。普段は忙しくて面接に出向くことができない方にとってはチャンスといえるでしょう。
ニーズが高いスキルをお持ちの方は、書類選考はスムーズに通過しますが、面接をクリアできないケースが多数見られます。不採用になる理由として目立つのが「転職理由が積極性に欠ける」というもの。
「安定したい」「年収アップ」「(漠然とした)キャリアアップ」などを目指す方が多いのですが、企業側は「エンジニアとしてどうなりたいのか」という目的意識、ビジョンに注目しています。どんな技術を身につけ、どんな業務に携わりたいのかを明確に伝えられるようにしておきましょう。私たちキャリアアドバイザーが、皆さんが抱いている思いが相手に正しく伝わるよう、「言語化」するお手伝いをいたします。
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