--Yahoo、Google、そしてオーバーチュアは日本でも大きな変化が起こっていますが、MSNは今後どう動くと思われますか。
滝日: 現在の技術面では、MSNもYahooもさほど変わらないのではないでしょうか。例えば2年経過してからテストしたときに、どこが一番いいかというのは大きな差が出ないと思うのです。私は、GoogleやYSTのベースになっているテクノロジーは、MSNも追いつけるだろうと考えています。問題は見せ方ですよね。Yahooのように情報窓口になるのか、Googleのように余計なものは見せないのか。差が出るとしたら検索エンジンの質ではなく、そういったあたりなのかなと思うんです。
高山: オーバーチュアは日本のマーケットをかなり重要視していますね。我々のような推奨認定代理店から改善を望む点を聞き出して米国本社へ送っていますし。Googleは先ごろ東京研究所ができたことで、何をどこまで日本でやるのか、どこを目指したものを作るのかという点に注目しています。
大内: 日本は、ほとんどのジャンルにおいて世界の中でも大きな市場を持っているでしょう。日本市場でGoogleが勝てなければ、Googleはダメになる、くらいの気持ちでがんばってほしいですね。
ルート: これからの1年半〜2年間で注目すべきは、GoogleでもYahooでもMSNでもない。OSだと私は思います。つまりMicrosoftの次期OS「Longhorn」です。
Microsoftはデスクトップに検索機能を統合しようとしていますが、ここを抑えれば非常に強力な垂直統合が可能です。それは、MSNがウェブブラウザーを握ることでユーザーを増やしたり、米AOLやYahoo! JAPANがISP会員を取り込んだりというこれまでの流れからも明らかでしょう。一方で、GoogleはアドセンスやGmailなどで検索以外にも領域を拡大しており、検索を中心とする競争はより広範なものになっていくと思います。
さらに興味深いのが、Microsoftは非常に強大な会社ですが、対抗する2社も力を付けてきているということです。GoogleはIPOで莫大な資金を手に入れますし、Yahooも大きな力を持っています。検索市場では、この3社が全面的に競争することで、今後もさまざまなビッグイベントが起きるでしょう。
高山: 国内リスティング広告の市場は、今年300億円を超えると言われています。昨年は100億を超えていました。たぶん2006年には、去年のネット広告全体の市場規模くらいにはなるでしょう。もっと言えば、2007年、2008年には、検索系の広告だけでラジオ広告級、つまり2000億円近く行くだろうという予測が立っています。
アメリカの動向を見ると、これは必ずしも夢物語ではありません。ですから「ネット広告」というと、リスティングとそれ以外に、ある程度分類されていくような感じになるのではないかとにらんでいます。
--サーチというものが、未だかつてないほどインターネットやコンピュータのトレンドの中で大事になってきたということですね。マーケットのサイズが、それに見合うだけ大きくなると非常に面白いと思います。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス