Yahooが検索エンジンを自社開発した理由 - (page 4)

インタビュー:梅田望夫、撮影:Rick English
編集:瀧口範子、山岸広太郎(CNET Japan編集部)
2004年05月24日 10時00分

インターネットビジネスにおける検索の役割

梅田: では、最後の質問です。基本的なことですが、もう一度確認したい。それはなぜ急に、MSNやAmazonなど多くの企業が検索に取り組むようになったのかということです。先にあなたが言ったように検索が金になることが分かったからなのか、それともGoogleの影響、つまりこの分野で他の会社と利益を分け合うのが難しいと考えるようになったからなのでしょうか。

Vish: これは繰り返しになりますが、みんながこの分野に入ってくる理由は簡単で、検索こそがインターネット上のメディアだからです。検索があればユーザーに情報を提供し、ウェブサイトをユーザーに見せることができます。そして、Overtureのモデルによってそれが金になることも明らかになったと。

梅田: そして、Yahooはそれを全部自社で持つと。

Vish: バリューチェーンの全てのパーツを持つというのは戦略的に非常に重要です。これらがあれば、例えばリスティング広告と同じ仕組みでテキスト広告をYahooの他のサイトに出すことも可能になります。検索のソリューションの話と同じようにユーザーが何を求めているのかを考え、そのために必要な情報を提供していくには、Yahooの他のサービスと検索を統合することが重要です。このためにはバリューチェーンをアウトソースせずに自社で持つことが大事なのです。

梅田: 分かりました。今日はお時間をいただきありがとうございました。

梅田望夫 Mochio Umeda
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ミューズ・アソシエイツ社長、パシフィカファンド共同代表
1960年生まれ。慶應義塾大学工学部卒業。東京大学大学院情報科学修士。アーサー・D・リトルを経て、コンサルティング会社「ミューズ・アソシエイツ」をシリコンバレーに設立。CNET Japanにて「英語で読むITトレンド」を連載中。

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