Nothingの「Phone (3)」が登場、さっそく実機を試して気に入った理由

Andrew Lanxon (CNET News) 翻訳校正: 編集部2025年07月02日 10時15分

 英Nothingはロンドンで現地時間7月1日にイベントを開催し、「Phone (3)」を発表した。「初の真のフラッグシップ」としており、その理由も納得だ。Phone (3)はより高いスペックと風変わりな新機能を備え、より安価なモデルと一線を画している。私は現地で短時間この製品を試しただけだが、かなり良い印象を受けた。

Phone (3) 提供:Andrew Lanxon/CNET
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 Phone (3)は米国では7月中旬に発売予定で、価格はストレージが256GB、RAMが12GBのモデルが799ドル(約11万5000円)、512GB・16GBの上位モデルが899ドル(約12万9000円)。Googleの「Pixel 9 Pro」やサムスンの「Galaxy S25+」などの他社製フラッグシップが999ドル以上であることを考えると、悪くない価格設定だ。

 現時点で気に入った点は以下の通り。

  1. ドットの「Glyph Matrix」
  2. Snapdragonプロセッサーとトリプルカメラ
  3. その他の仕様と機能
  4. 実際どうなのか

ドットの「Glyph Matrix」

 Nothingのスマートフォンは、これまでも透けて見える背面パネルと発光するGlyphインターフェースという風変わりなデザインで知られてきたが、今回はライトの代わりに小さなドットマトリクスディスプレイが採用された。このGlyph Matrixは背面に配置され、バッテリー残量や通知といった重要な情報を表示できるだけでなく、より遊び心のある用途にも使える。「スピン・ザ・ボトル」ツールや「マジック8ボール」機能など、さまざまな「Glyph Toys」がプリインストールされており、開発者による作成も歓迎されている。

Phone (3) 提供:Andrew Lanxon/CNET
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 私はGlyph Matrixが気に入っており、米CNETのKatie Collins記者もこれがPhone (3)で最も好きな点だという。前機種「Phone (2)」のライトは任意に光るだけだったのに対し、今回は実際に情報を提示してくれるので実用性が高い。背面の小さな画面でミニゲームを遊ぶことはまだギミックの域を出ないかもしれないが、灰色の同じようなスマホが並ぶ世界で、ちょっとした変わり種があるのはうれしい。

 透明なデザインも健在で、Nothingのスマホの代名詞になりつつある。今回は内部構造がよりブロック状でキュビズム的なスタイルに仕上がっており、どことなくバウハウスのアートムーブメントを思わせる。良い感じだ。

Snapdragonプロセッサーとトリプルカメラ

 フラッグシップらしく、スペックに妥協はない。Qualcommの「Snapdragon 8S Gen 4」プロセッサーは、日常の用途はもちろん負荷の高いゲームでも力強いパフォーマンスを発揮するはずだ。まだ実際に試してはいないが、「原神」などの重いゲームも難なくこなしてくれると期待している。

 背面にはメイン、超広角、望遠ズームという標準的な構成のトリプルカメラが搭載されている。3基すべてが50MPで、これはPhone (2)の標準カメラと超広角カメラと同じ解像度だが、画像処理が大幅に改善されたと同社はうたっており、画質の向上が期待できる。フロントディスプレイにも50MPのカメラが搭載されており、自撮りやビデオ通話に使える。これはPhone (2)の32MPカメラから大きく進化した。

Phone (3) 提供:Andrew Lanxon/CNET
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 これらのカメラの実力を試すのが楽しみだ。カメラ性能は「iPhone 16 Pro」や「Galaxy S25 Ultra」などのハイエンド機が他と差別化するための重要なポイントとなる。私がとくに期待しているのは、さまざまなカラープロファイルが用意されている点だ。追加でダウンロードできるものも多数ある。私は春にバルセロナで「Phone (3a)」を使ったときに感じたフィルムライクな雰囲気を気に入っており、サムスンのスマホでも似た感じを再現できたことが、写真家としてはうれしかった。Nothingがどこまで迫れるのか楽しみだ。

その他の仕様と機能

 Glyph Matrixやカメラ以外にも、仕様は充実している。6.67インチのディスプレイは高解像度で、5150mAhのシリコンカーボンバッテリーは終日持つとされている。65Wの急速充電は空から半分までわずか19分で完了する。IP68の防水防塵にも対応しており、雨の中での通話も問題ない。

Phone (3) 提供:Andrew Lanxon/CNET
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 AIツールも各所に散りばめられており、その1つがPhone (3a)で導入されたNothingの「Essential Space」だ。Essential Spaceは1日を通して録音したボイスメモやスクリーンショットをまとめ、頭の中の雑多な情報を整理してくれるリポジトリーのようなものだ。自分は日記アプリのような感覚で捉えている。NothingはEssential SpaceにAIをさらに深く組み込み、今後数カ月で機能を拡張していくという。どれほど役立つツールになるかに注目したい。

 「Android 15」を搭載して発売されるが、Nothingによれば年内にAndroid 16にアップデートされる予定だ。OSアップデートは5年間、セキュリティアップデートは7年間提供されるため、2032年になっても安全に使い続けられる見込みだ――もっとも、ここまで長くスマホを使うには他にも工夫が要るが。

実際どうなのか

 まだ短時間しか触っていないが、Glyph MatrixとおなじみのNothingデザインにはすっかり魅了された。Nothingがハイエンドの市場で戦いたいのなら、プロセッサーとカメラでトップクラスの性能を示す必要がある。私は今後数日かけて、この製品をじっくり検証する予定だ。

 もしNothingの主張どおりの性能を示せるなら、多くのフラッグシップより手ごろな価格の有力な選択肢になりそうだ。

Phone (3)

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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