Switch 2の予約注文を逃した辛さは理解できる。でも、実は少し待つくらいがちょうど良かったりする──。
Nintendo Switch 2がついに発売された。SNSは新型機を手にした人たちの喜びの声であふれている。そんな投稿を見るたびに、「いつ再入荷されるのか」と落ち着かない気持ちになっている人も多いだろう。この気持ちはFOMO(Fear of Missing Out)とも呼ばれ、「取り残されることへの不安や焦り」がその正体だ。
とはいえ、4月の先行体験イベントで丸一日Switch 2に触れた私が自信を持って言いたいのは、「焦らなくてもいい」ということだ。
体験後の率直な感想を今一度伝えると、Switch 2の進化は確かに魅力的だ。新作の『マリオカート ワールド』や『ドンキーコング』にはワクワクさせられたし、ゲームキューブの懐かしいタイトルも豊富に楽しめそうだ。
ただ、それらを踏まえても、今回のSwitch 2はあくまでも「順当なバージョンアップ」といった印象。焦って今すぐ買わなければ損をするような劇的な変化とは、まだ言えない。本当に心が躍るような独占タイトルは、もう少し先に控えているように感じた。
任天堂自身も、現時点ではSwitch 2を初代Switchとの「橋渡し役」と位置付けている節がある。実際、これから発売される多くの新作は初代Switchでもプレイ可能で、必ずしも即座の買い替えが必要ではない。
この意味では、Switch 2は「Xbox Series X/S」や「PlayStation 5」と同じく、「焦らずとも良いタイミングで乗り換えれば十分」という次世代機に位置付けられる。
Switch 2では、これまでのSwitchソフトの多くが問題なく遊べる。これはWii Uや3DSからSwitchへの移行時にはなかった大きなメリットだ。つまり、今すぐSwitch 2を手に入れなくても、いったん初代Switchで遊び続けて、後々自分のライブラリごとスムーズに乗り換えることができるというわけだ。
また、Switch 2版のソフトは価格が10~20ドルほど上昇するが、後からアップグレード版を追加購入する手もある。もしグラフィックや追加要素にそれほどこだわらないなら、手持ちのSwitch版をそのまま楽しむのも十分ありな選択肢だ。
Switch用ゲームの「Switch 2版」をいくつかプレイしてみたところ、フレームレートやグラフィックは確かに良くなっていた。しかし正直なところ、劇的に変わったとは感じられなかった。もちろん、プレイするならSwitch 2の強化版が良いのだが、その感覚は、昨年PS5 Proと通常のPS5版のゲームを初めて比べてみたときに覚えた、「ちょっと良くなったな」という印象と似ている。
大画面テレビを使うなら、その差を明確に感じられるかもしれない。また、Switch 2の大型スクリーンでは1080pの高精細さにHDRが加わり映像がより引き立つ。それでも、元々のSwitchで遊んでいても充分に楽しめるレベルだ。実際、有機EL版Switchで改めてゲームをしてみても、「Switch 2だったらなぁ……」と悔しがるほどの羨望はわいてこなかった。
とはいえ、この印象はこれから徐々に変わっていくだろう。Switch 2のNVIDIA製GPUを最大限に活かした新作や専用ゲームが増えてくれば、状況は一変するはずだ。思えばMeta Quest 3も、Quest 2よりグラフィックが改善されたとはいえ、発売から1年ほど経つまでは「どうしても欲しい!」という気持ちにはなれなかった――それと同じような感覚だ。
『マリオカート ワールド』や『ドンキーコング バナンザ』はSwitch 2専用となっているが、『メトロイド プライム4 ビヨンド』や『ポケットモンスター レジェンズ Z-A』は旧型Switchでもプレイできる。
新旧ハード間のゲーム体験の違いはまだ分からないものの、今年いっぱいは旧型Switchでも任天堂の新作タイトルを十分に味わえるため、Switch 2への買い替えを急がなくてもよさそうだ。これは一種のFOMO(取り残され感)を和らげる余裕とも言えるだろう。
任天堂のこれまでのサポート傾向を考えると、新ハード発売後も旧型ハードへのサポートは数年継続されることが多い。2026年以降には徐々にSwitch 2が中心になっていくだろうが、それでもあと1年ほどは、注目作が旧型Switchでも遊べる状態が続いても不思議ではない。
『マリオカート ワールド』や『ドンキーコング バナンザ』はSwitch 2専用タイトルとして登場するが、『メトロイド プライム4 ビヨンド』と『ポケットモンスター レジェンズ Z-A』は旧型Switchでもしっかりプレイ可能だ。
新旧ハード間の動作の違いがどれほどなのかはまだ未知数だが、今年は従来機でも最新作が十分に楽しめるため、ハードの買い替えを急がなくても心配はない。むしろ、新ハードに乗り遅れる不安(FOMO)をやわらげるための、安心感をもたらすクッションのような存在だ。
任天堂の過去の対応を振り返れば、新型ハードが登場してからも1~2年ほどは旧型ハードへの手厚いサポートが続いてきた。2026年以降はSwitch 2がメインとなるだろうが、少なくとも今後一年間は、主要な新作タイトルが旧型Switchにも並行して提供される可能性が高い。
初代Switchは、据え置き機と携帯機を自由自在に行き来でき、さらにはコントローラーを分割して友達と一緒に遊ぶという画期的なアイデアを実現した、まさに革新的なデバイスだった。一方のSwitch 2は、その基本的なコンセプトを継承しつつも、性能向上やユーザビリティの改善に留まっており、「遊びの概念を根本から変える」ほどの劇的な進化は見られない。
現状で目を引く新要素は主に二つだ。一つは、友達との音声・映像コミュニケーションを可能にしたゲームチャット機能。もう一つは、特定のゲームでJoy-Conをマウスのように利用できる新操作だ。ただし、ゲームチャットはSwitch 2間でしか利用できず、Nintendo Switch Onlineへの加入も必要という制約がある。マウス操作も確かに新鮮な楽しさをもたらすが、対応するゲームが広がらなければ、一時的な目新しさで終わるかもしれない。
現時点ではSwitch 2に「誰もが驚く革新的な機能」はまだ少ないが、そこは任天堂のこと。今後のソフトやシステムアップデートで大きく進化を遂げる余地は十分に残されている。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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