「iOS」界隈では、スマートフォンに1000ドル(約14万円)ほどの値札がつくのが当たり前になっているが、「Android」界隈では違う。高額なモデルも存在するが、数百ドル(数万円)でも十分に使えるAndroidスマートフォンは多い。
例えばBlackviewの「Blackview SHARK 9」は、基本機能をおさえた普段使いのスマートフォンを探しているなら、間違いなく検討に値する1台だ。
まず目を引くのは、その見た目だ。明らかに「iPhone」に似ている。全体の形の話ではない。正直、スマートフォンの形はどれも似たり寄ったりだ。
iPhoneを思わせるのは背面のトリプルカメラのせいだ。これは意図的なものだろう。3つのレンズの配置だけで、驚くほどiPhone Pro Maxモデルを思わせる。
iPhoneそっくりの見た目はさておき、SHARK 9は魅力的なスマートフォンだ。レビューに使ったブルーのモデルは、オパール調の炎が燃えるように輝く背面が印象的だ。
筆者が過去に見たことのあるスマートフォンの中でも、きわだって美しい。よほどの事情がなければ、これにケースを付けることはないだろう。
CPUにはオクタコアの「Unisoc T820」を搭載する。構成は、2.7GHzのCortex-A76パフォーマンスコアが1基、2.3GHzのCortex-A76パフォーマンスコアが3基、2.1GHzのCortex-A55効率コアが4基だ。コスパ重視のプロセッサーであり、超強力とは言えないが、標準搭載のアプリ程度ならなめらかに動く。RAMをデフォルトの8GBから拡張すればパフォーマンスはぐっと高まり、負荷の高いアプリを実行し、「Google Chrome」でタブを大量に開いても快適に使える。
常に言っていることだが、最高のパフォーマンスを得たいならメモリーは最大まで積むべきだ。ストレージが足りないなら、microSDカードを追加すればいい。
そこそこのプロセッサーとRAMしか積んでいないにもかかわらず、Androidがこれほどスムーズに動くのは驚きだ。もちろんゲームや写真・ビデオ編集などでは限界を感じる場面もあるが、ほとんどのユーザーにとっては十分すぎるスペックだろう。
カメラ性能は、エントリーレベルの価格帯であることを考えれば許容範囲だ。フラッグシップモデルから乗り換えるなら物足りなさを感じるだろうが、「Facebook」「TikTok」「Instagram」に投稿する写真を撮る程度なら問題ない。
5000万画素のメインカメラは、夜間でも美しい写真を撮影できるようピクセルビニングを採用しており、実質1250万画素のセンサーとして機能する。写真の質、特に低照度下で撮った写真の質は上々だ。高画素カメラを搭載した最近のスマートフォンでは珍しくないが、クロップせずに直接5000万画素で撮影することもできる。ただ、通常の写真との大きな違いは感じなかった。あえて言えば、直接5000万画素で撮った写真はシャープネスが強く、個人的には好みではない。カメラに関してはいくつかの制限があり、例えば4Kビデオは撮影できるが、フレームレートは30fpsにすぎない。
5000mAhのバッテリーはスタンバイ状態で600時間以上(約1カ月)持つ。通常の使用なら12時間程度の連続稼働が可能であり、許容範囲だ。また、18Wの有線充電に対応し、10分で残量0%から20%まで充電できる。今時めずらしく3.5mmのヘッドホンジャックを備えているのもありがたい。
SHARK 9の現在の市場価格は122ドル(本稿掲載時点で日本向けAliExpressでは2万444円)と、価格競争力は非常に高い。希望小売価格は280ドル(約4万円)だが、この価格でも一般的なユーザーが日常的に使う分には問題のない性能を備えた優秀な1台と言える。パワーユーザーには物足りないかもしれないが、割引なしでも「iPhone 16 Pro Max」やサムスンの「Galaxy S24 Ultra」に比べれば驚くほど安い。
重量級のゲームや高負荷な作業をしたいユーザーなら、高くても常に最新のモデルを喜んで買うだろう。SHARK 9は、普通のことができればいいというユーザーにぴったりの1台だ。
Blackview SHARK 9この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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