三菱UFJ、AIエージェント導入で創業2年のSakana AIと提携--「専門知識が必要な業務も自動化」

 三菱UFJ銀行とSakana AIは、銀行業務の変革に向けて今後3年以上にわたる包括的パートナーシップ契約を締結した。

 2025年7月から始まるパイロットフェーズでは、社内外文書の作成プロセスを対象に、銀行業務に特化したAIエージェントの導入を進める。単なる情報の要約にとどまらず、業務目的や文脈を踏まえた判断を支援し、実務に即した文書作成を自動化する技術の構築を目指す。

 フェーズ終了後には、同行の基幹システムへの本格導入を進めるとともに、融資審査やリスク管理など他領域への応用も視野に入れている。

 Sakana AIは2023年創業のスタートアップで、科学研究プロセスを自動化する「AIサイエンティスト」を開発。2024年にはその改良版が生成した論文が、AI分野のトップ国際学会ワークショップで査読を通過するなど、技術力を示している。

 2025年3月には「事業開発本部」を新設し、「AIを通じた日本社会の課題解決」に向けた事業展開を加速。特に金融分野を重点領域に据え、この春からは銀行業務に特化したAIの開発を本格的に進めている。

 今回の提携に合わせて、Sakana AIの共同創業者兼COOの伊藤錬氏が、MUFGのAIアドバイザーに就任する。今後は、同行のAI実装戦略に対して助言し、技術面からの支援を通じて金融分野におけるAI活用の高度化を図っていく。

 MUFGの亀澤宏規社長は、「AI活用は中期経営計画の柱であり、Sakana AIの革新的な技術を活用することで、複雑な思考や高度な専門知識を要する業務プロセスの自動化に挑みたい」とコメント。

 一方、Sakana AI伊藤氏は「日本を代表する金融機関の課題解決に、当社の技術を直接活かせることを光栄に思う。金融という社会の根幹領域において、AIを通じた業務変革に挑戦できることに大きな意義を感じている」と語った。

 創業2年余りのスタートアップが国内最大級の銀行と長期契約を結び、経営トップのアドバイザーに迎えられることになる。

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