YKKは、産業用ファスナーの開閉を遠隔操作できる「自走式ファスナー」を開発中と発表した。この製品は、歯車とモーターを内蔵した小型の自走ユニットをファスナー本体に後付けし、有線式のコントローラーで操作する仕組みだ。
従来、テントや大型シートなどの産業用途では、ファスナーの開閉を手作業で行う必要があり、高所作業や危険を伴う環境では安全確保や作業者の確保が課題となっていた。YKKはこうした現場の課題に対応するため、自走式ファスナーの実用化に着手した。
2025年2月には、太陽工業と協力し、同社の枚方工場で試作機の実証試験を実施した。屋外で実施した実験では、高さ5mの膜材を分離状態で吊り下げ、自走式ファスナーを取り付けてスイッチを入れたところ、約40秒で膜材が自動で接合された。
また、屋内での実験では、幅4m、奥行4m、高さ2.5mのエアーテント「マク・クイックシェルター」2基を並べ、接合部に自走式ファスナーを取り付けて検証を行った。その結果、スイッチ操作から約50秒でテント同士の連結が完了し、天井など人が手を伸ばしにくい箇所も含めて接合作業が実現した。
YKKは今後も実証試験で得た知見をもとに、改良と評価を進めるとしている。
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