Mobvoiのスマートウォッチ「TicWatch」は2層ディスプレイを採用し、長いバッテリー駆動時間と独自機能で他の機種とは一線を画してきた。
そんなMobvoiが今回、ウォッチから離れてまったく新しい製品を投入した。それがTicNoteだ。スマホに装着し、音声メモを基にAIでコンテンツを生成する高性能なボイスレコーダーである。
重さはわずか29g、大きさはクレジットカードを3枚重ねた程度しかない。バッテリーは470mAhと大きめで、最大25時間の連続録音が可能。ストレージは64GBあり、434時間分の音声を保存できる。これから、TicNoteで何ができるかをお伝えしよう。
開封したとき、小さくシンプルな見た目から、大したことはできないだろうと思った。操作系は、音声録音と受話器からの通話録音を切り替えるスイッチが1つ。Bluetooth通話には対応しない。状態を示す小さなOLEDディスプレイと、録音開始・停止を兼ねる電源ボタンもある。
ボタン操作を試行錯誤していると、妻がオフィスに入ってきて副鼻腔炎とアレルギーの話を始めた。実はその時TicNoteは録音中で、後でアプリを開いて結果を見た瞬間、2人とも衝撃を受けた。会話を録音すると、ファイルはサイズに応じてBluetoothまたはWi Fi経由で転送される。
TicNoteにはMEMSマイクが3基内蔵されており、離れていても驚くほどクリアに音声を拾う。通話録音を簡単にするため、「MagSafe」対応スリップケースが付属し、スマホの背面に装着できるのも便利だ。
録音自体はハード側で完結するが、真価はスマホに同期してTicNoteアプリを開いてから発揮される。アプリから直接録音開始・停止もでき、レコーダーの電源が切れていてもアプリの録音ボタンを押せば自動で起動して録音を始めてくれる。
録音一覧からファイルをタップすると、要約、文字起こし(話者分離付き)、「アハモーメント」(録音内容に関する洞察)、ディープリサーチ、マインドマップが表示される。要約は概要・詳細・ToDoリストまで含み、驚くほど正確で役に立つ。音声、書き起こし、要約、マインドマップはエクスポート可能だ。将来的にはタスクリストもエクスポートできるようになるとうれしい。
数日間使った限り、精度は高く、要約に誤りがあれば自分で編集できる。別言語に翻訳し、編集後に再書き起こしも可能だ。録音データはクラウドに保存することもできる。
アハモーメントは録音内容に関する洞察を提供する機能だ。アレルギーと副鼻腔炎について妻と話したときは、「アフリン」や「ベナドリル」の安全性に関する最新の医学知見をまとめてくれた。非常に参考になる内容で、検証できるように情報源へのリンクも付いていた。
ほかにも、プロジェクトフォルダーでファイルを整理したり、録音を検索したり、AIエージェント「Shadow」を使ったりできる。各プロジェクトフォルダーには、録音データ、ローカルファイル(PDF・テキスト・Word文書)、メモ、ディープリサーチのレポートを保存できる。
TicNoteのハードウェアは非常に優秀だが、得られる情報にはコストがかかる。必要なクレジットの量を把握できるように、Mobvoiは7月15日までに購入した人にProサブスクリプションを3カ月無料で提供する。Proは月1500クレジットで月額12.99ドル(約1900円)、年額79ドル(約1万1200円)。多くの機能は1セッションまたは1分ごとに1クレジットが必要だ。なお、Proに加入しなくても月300クレジットは無料でもらえる。
妻との会話に基づいて、会話の音声を認識して有意義なコンテンツを生成するTicNoteの能力に私たちは感動した。TicNoteは、会議メモ、アイデア、タスクリスト、買い物リスト、研究テーマの記録方法を変えてくれる小型軽量のアクセサリーだ。音声メモの威力を実感できるAIアシスタントを探している人におすすめしたい。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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