音楽好きが完全無線イヤホンに求める性能はシンプルだ。数日は余裕でもつバッテリーと、クリアで力強い音質だ。JBLはこの「黄金の組み合わせ」を熟知しており、製品開発にもそれを反映させている。
記事内リンクからAmazonのページに飛ぶ場合があります。リンクからの製品購入で編集部に収益が発生する場合があります。
そのため、「JBL Tour Pro 3」が手元に届いた時には、装着前からどんな製品か想像がついた。また、同時期に前モデル「JBL Tour Pro 2」も試す機会があり、新旧の比較ができた。ここではJBL Tour Pro 3の特長と、新モデルを選ぶべきか、旧モデルで十分かを考察する。
JBL Tour Pro 3は、公園でのランニングから長距離フライトまであらゆる場面で使えることを売りにしている。
この汎用性を支えているのが、Bluetoothトランスミッター搭載の充電ケースだ。イヤホンジャックやUSB-C端子と充電ケースをつなぐだけでトランスミッターが作動するため、飛行機の機内映画も本機で楽しめる。場所を選ばず、Bluetooth非対応の音源でもワイヤレスで聴けるが、ケースがやや大きい点は注意したい。
デザインは先代とほぼ同じだ。JBLによるとディスプレイ付きケースのサイズや細部を改良したというが、外観上の差はごくわずかだ。
変化が顕著なのは音質だ。前モデルと比べても明らかに量感が増し、クリアになった。同じ曲を同じ音量で比較すると、JBL Tour Pro 3の方が明瞭でシャープに感じられた。
ノイズキャンセリング機能を活用して集中したい人や、ビデオ会議でマイク品質を求める人にとっても頼もしい。スマート充電ケース経由で通信品質が確保されており、会議利用にも問題なかった。
中程度の音量でも没入感が維持されるのは高品質イヤホンの証明だと考えている。JBL Tour Pro 3では空間オーディオ機能も加わり、音楽やゲームで没入感が増した。
ただし、大型ヘッドホンを含めるなら同価格帯のBose製「QuietComfort Ultra Headphones」ほどの包囲感はない。空間オーディオを最重視するならBose製を選ぶ方が満足できるだろう。
JBL Tour Pro 3にはノイズキャンセリング、アンビエントアウェア、トークスルーの3モードがある。ノイズキャンセリングは強力で雑音をしっかり遮断するが、人の声や大きな音は若干漏れる。JBL Tour Pro 2のアンビエントアウェアは音楽が不自然になり気になったが、第3世代では改善されている。ただ、筆者の好みまでには改善は至っていない。
なお、筐体の質感は先代が勝る。JBL Tour Pro 2はずっしりとした重さがあり、価格に見合った高級感がある。一方のJBL Tour Pro 3は軽量化されプラスチック感が強くなり、耳から落ちやすくなったと感じる。
JBLらしくバッテリー容量は十分だ。ANCをオフにすれば最大44時間再生できる。テストした1週間、ケースを充電することはなかった。ケースのバッテリーが切れた時点でもイヤホン本体のバッテリーは80%残っていた。
JBL Tour Pro 3は音質の向上、空間オーディオ、スマート充電ケースなど魅力的な新要素が多い一方で、軽量でプラスチック感のある筐体は評価を下げる要因となった。特に動作中に耳から外れやすく、高級イヤホンとしての「重厚さ」に欠ける。
音質が良く、強力なノイズキャンセリングと長持ちバッテリーを求めるなら、このイヤホンは有力な候補になるだろう。ただ、安っぽい作りや装着感が気になるなら、同じく優れたノイズキャンセリング性能と装着感を持つ先代の「JBL Tour Pro 2」の方がおすすめだ。
JBL Tour Pro 3(Amazonで価格をチェック)
JBL Tour Pro 2(Amazonで価格をチェック)
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ドコモビジネス×海外発スタートアップ
共創で生まれた“使える”人流解析とは
Copilot + PCならではのAI機能にくわえ
HP独自のAI機能がPCに変革をもたらす