Amazonは「プロジェクト・カイパー」の一環として、地球低軌道衛星27機の打ち上げを予定していた。打ち上げ時間は4月9日19時~21時(米国東部時間)だったが、悪天候により延期となった。打ち上げを担うユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)は、「ケープカナベラル上空の積雲と強風のため、打ち上げが不可能となった」と説明している。
新たな日程は決まっていないが、最新情報はミッションページで更新され、打ち上げの模様もライブ配信される予定だ。使用するロケットはULAの「アトラスV」で、フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられる。
今回の打ち上げは、カイパーの商用衛星としては初の本格的な打ち上げで、2019年に総額100億ドルの投資計画とともに発表された同プロジェクトの大きな節目だ。現在の衛星インターネット市場はSpaceXのスターリンク(衛星約7000基)がリードしているが、Amazonは今後80回の打ち上げで計3200基を展開し、2025年内のサービス開始を目指している。
スターリンクやAmazonに加え、Viasat、Hughesnet、Eutelsat、中国のSpaceSailなどが参入することで、へき地や農村部にも高速インターネットが普及する可能性が高まっている。競争激化で料金低下や速度向上が期待されるが、実際の効果はまだ不透明だ。
USCコンピュータサイエンス学科客員教授でQuandary Peak Research副社長のマフディ・エスラミメフル氏は、「AmazonはULA、アリアンスペース、ブルーオリジン、さらにはSpaceXとも大型打ち上げ契約を結んでいる。豊富な資金力とインフラを背景に、有力な競争相手となる」と話す。
「スターリンクは現状では優位だが、中国企業を含め資金力があり俊敏な競合が増えているため、近い将来さらに競争が激化する」とも指摘する。
プロトタイプ段階ではAmazonの衛星は順調に機能しており、AWSの宇宙利用試験も進んでいる。エスラミメフル氏は、「プロジェクト・カイパーは競争の枠を超え、世界のデジタル格差を埋め、インターネット未整備地域へ高速サービスを提供する重要な一歩となる」と語った。
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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