筆者のレトロな夢が実現しようとしている。2010年代半ばにお気に入りだったスマートウォッチ「Pebble」が事実上、復活するのだ。しかも、充電1回で1カ月持つというバッテリー持続時間を実現している。モノクロ画面の「Core 2 Duo」および心拍計とカラー画面を備えた「Core Time 2」の2機種が登場する予定だ。
予約受付はすでに始まっている。デザインは見覚えがあるもので、「Pebble 2」や発売されなかった「Pebble Time 2」を2025年版にリマスターしたような感じだ。発表前、Pebble創業者のEric Migicovsky氏に「Zoom」で取材したところ、新たな2機種はいずれも1万種類の旧Pebble向けウォッチフェイスに対応するという。「Android」と「iPhone」の両方に対応し、「ハックも可能」なので、過去10年にわたって温めてきた面白いPebble向けアイデアもこの新モデルで実行できるはずだ。
とはいえ、厳密にはPebbleという名称が正式に使われているわけではない。Migicovsky氏の企業Core DevicesはCore 2 DuoとCore Time 2という製品名を採用し、Pebbleのブランド名は掲げていない。ただし予約サイトでは「Pebble」や「Pebble OS」が頻繁に言及されている。したがって、やはり筆者はこれらをPebbleと呼ぶことにする。実質、Pebbleそのものだからだ。
いちばん驚いたのはアップグレードの内容だ。新機種はいずれもバッテリー持続時間が最大30日間と飛躍的に向上しており、Migicovsky氏いわく、これはバッテリーとチップ技術の進化によるものだという。またマイクとスピーカーを搭載しているが、通話が目的ではなく、これらを活用するアプリのためのものらしい。同氏は「ChatGPT」と連携する可能性のあるアプリを開発中だとも語った。
149ドル(約2万2000円)のCore 2 Duoは7月に出荷予定で、かつてのプラスチック製Pebbleウォッチが帰ってきたような感じだ。シンプルなモノクロ表示の1.26インチディスプレイ(バックライト付き)を搭載し、歩数や睡眠トラッキング、専用ボタンなど、昔ながらのPebbleらしい機能を備えている。
一方、225ドル(約3万4000円)のCore Time 2は12月に出荷予定で、より大きな1.5インチのタッチ対応カラーディスプレイと心拍センサーを搭載する。サイドボタンも残っているが、ガラス製タッチスクリーンを使えばコンプリケーションをタップしたり、それを利用するアプリを操作したりできる。Pebbleがタッチスクリーンを搭載するのはこれが初めてだ。本体は金属製となっている。
これらに1つだけ欠けているのが、水泳に対応する防水機能だ。IPX8を目指すという耐水性能はあるのでプールでの水没なら大丈夫かもしれないが、本格的なスイムウォッチとしては想定されていない。ここは解決してほしかった点だ。
それでも、見た目や使い方は昔のPebbleとほとんど変わらない。旧Pebbleと同様に専用のスマホアプリとペアリングし、Pebbleストアにアクセスしてアプリやウォッチフェイスを入手できる。
Migicovsky氏によると、今回の新モデルは万人向けではないことを想定して開発されており、自身が復活を心待ちにしていた個人的なプロジェクトでもあるという。これらの新製品は、スマートウォッチ界にとって面白い時期に登場することになる。普及した「Apple Watch」はバッテリー持続時間が1~2日程度で、予想どおりの退屈なフィットネスウォッチに落ち着いてしまった感があるし、他のスマートウォッチも同様だ。新しいPebbleは最近のスマートウォッチのように非接触決済や通話、音楽再生、より高度なフィットネスやヘルストラッキングはできない。しかし通知を受け取り、アプリを動かし、基本的なフィットネスの計測をし、そして何より膨大な数の個性的なウォッチフェイスを楽しめる。腕にはめるのが待ちきれない気分だ。
Eric Migicovsky氏の発表この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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