Apple Siliconを搭載した「MacBook Air」の長所は、ファンレスながら高性能と長時間のバッテリー駆動を実現していることだ。しかも、毎年性能が向上していく。
新登場のM4チップ搭載MacBook Air(2025)は、M3世代から大きく変化したわけではないが、薄型・軽量・静音のまま、最大15時間ほど持続するバッテリーと優れた処理能力を引き継いでおり、2025年のベストノートPCのひとつと言える。しかも新色「スカイブルー」も追加された。
とはいえ、この「スカイブルー」は私の目にはシルバー寄りの色合いに見える。個人的には、MacBook AirはiMacのノート版だと思っており、iMacのような7つのカラーを用意してほしかったが、それは叶わなかった。
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2025年モデルの最も大きな変化は、M3チップからM4チップへ移行したことだ。M4は既に「MacBook Pro」や「iMac」「Mac mini」に搭載されている。
なお、基本構成は画面サイズによってGPUのコア数に違いがある。13インチは10コアCPU+8コアGPU、15インチは10コアCPU+10コアGPU構成だ。両機種ともメモリ16GB、ストレージ256GBが初期構成で、価格は16万4800円(13インチ)と19万8800円(15インチ)だ。
512GB SSDへのアップグレードに3万円、メモリ増設も同額だ。RAMは初期構成が16GBなので多少の余裕はあるが、クラウドや外付けドライブに頼らないならストレージは少なくとも512GBを検討したい。
性能とバッテリー持続時間は今回も凄い。ベンチマークの詳しい結果は末尾に列挙するが、M3から大幅な伸びではないものの、確実に速くなっている。クアルコムの「Snapdragon X Elite」を搭載したPCとも同等レベルのCPU性能だ。
特にM1世代(あるいはIntel版)からの向上幅は大きい。古いAirで処理が重く感じ始めた人には、M3あるいは今回のM4搭載モデルへ買い替える価値はあるだろう。
グラフィックス性能はSnapdragon X Elite搭載のWindows PCより優れており、写真や動画の編集、ちょっとしたゲームを軽量ノートPCでプレイしたい人に向いている。ただし、負荷の高いゲームはグラフィック設定を落とす必要があり、ファンレスゆえ熱はこもりやすい。それでも軽めのゲームなら問題なく遊べる。
バッテリーはCNETの試験で動画ストリーミングを約15時間再生できた。これはM3搭載MacBook Airとほぼ同じ結果で、普通の使い方なら余裕で1日持ちそうだ。
本体デザインはM3モデルと同じで、シンプルかつ洗練されている。ただ、USB-Cポート、MagSafeがすべて左側で、左側からしか充電できない点が気になる。
Webカメラは1200万画素に強化され、センターフレームとデスクビューに対応した。センターフレームは被写体を自動で追尾して中央に収める機能で、デスクビューはキーボード前方を上から映すことで、デモ用にも使いやすい。少し歪みや画質の荒さはあるが、実用的には十分だ。
生体認証はTouch IDだ。iPhoneのようにFace IDや近接センサーを搭載して、ロックのオンオフがもっとスムーズになると理想的だが、現状のTouch IDでも問題はない。
USB-CポートはUSB 4からThunderbolt 4にアップグレードされ、内蔵のLiquid Retinaディスプレイに加えて、最大6Kの外部ディスプレイを2台同時に接続できるようになった。実質3画面分を使えることになるうえ、キーボードやトラックパッド、Touch IDもそのまま利用できる。
M4 MacBook Airは、もともと完成度の高かったノートPCを小幅にアップデートしつつ価格を下げてきた。(国内編集部注:日本ではM3モデルから価格据え置き)
M3やM2のMacBook Airを使っている場合、より良いカメラや外部ディスプレイ対応などのメリットはあるが、パフォーマンスの差はさほど大きくなく、買い換えの動機としては弱いかもしれない。
一方、Intel版やM1のMacBook Airから乗り換える場合、性能差は大きく、アップグレードする価値は高い。M3のMacBook Airはラインナップから消えるが、割安の新品や整備品が手に入るなら、M4にない機能を妥協してもそちらを選ぶ手もあるだろう。また、ノートの携帯性が不要なら、M4搭載「Mac Mini」が9万4800円からあり、同じ性能をより安く導入できる点も見逃せない。
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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