中国HONOR、「人とデバイスのやり取りを革新する」AIスマホを開発へ

Katie Collins (CNET News) 翻訳校正: 編集部2025年03月03日 11時56分

 栄耀(HONOR)はかつて華為技術(ファーウェイ)のサブブランドとして最もよく知られていたが、同社から分離して以来、自社のアイデンティティ確立に向けて着実に成長している。Mobile World Congress(MWC)2025では、大手Androidスマートフォンメーカーだけでなく、あらゆるAIデバイス開発企業に対抗する地位を確立するため、これまでで最も大胆な一手を打った。

HONORの発表を予告する公式画像 提供:HONOR
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 同社はMWC 2025で新型スマートフォンを発表せず、1月に新たなフラッグシップ製品「HONOR Magic7 Pro」を発表していた。MWCでは、幅広いデバイス向けのAI開発に向けて今後5年で100億ドル(約1兆5000億円)を投資すると発表した。最初のプロジェクトは、GoogleやチップメーカーQualcommと協力して、「人とデバイスのやり取りを革新する」インテリジェントなスマートフォンを開発するというものだ。

 「GoogleのGemini AIモデルをHONORのソリューションに深く統合し、世界中のユーザーのために、これまで不可能だった新たな可能性を創出しつつ、データセキュリティやユーザープライバシーを守れるよう緊密に協力している」と、Google CloudのConsumer AI担当マネージングディレクターであるMatt Waldbusser氏は述べた。

 HONORが示唆しているのは、アプリベースのインターフェースに依存しないエージェンティックAIへの転換だ。つまり、一度タスクや命令を与えると、モバイルAIエージェントがスマホ内のアプリにアクセスし、ユーザーに代わって調整を行う仕組みだ。これは筆者が2024年のMWCで初めて目にしたビジョンだ。このビジョンはその後注目を集め、デバイスとのやり取りの仕方を根本的に変える可能性を秘めている。HONORは基調講演で、AIエージェントの最新版のデモを披露し、これが近い将来デバイスに搭載されると述べた。

 これは最高経営責任者(CEO)に就任したJames Li氏による新戦略「ALPHA PLAN」の一環だ。同社はこの戦略の下、AIデバイスや異なるOS上で動作するサービスの創出に挑戦する。その中で、iOSとAndroidの間で超高速転送を実現するユニバーサルなファイル共有システムも導入するという。既存のHONORスマホについては、Android OSおよびセキュリティアップデートの提供期間を5年から7年に延長するほか、Magic7 Pro向けに、古い写真を復元するためのAI画像アップスケーリングや、AIディープフェイク検出機能を追加する。

 MWCでの発表の中で、HONORは新たなデバイスも発表した。これには、イヤホン「HONOR Earbuds Open」、スマートウォッチ「HONOR Watch 5 Ultra」、タブレット「HONOR Pad V9」、ノートPC「HONOR MagicBook Pro14」が含まれる。

HONORのプレスリリース

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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