Amazonは米国時間2月26日、ニューヨークでイベントを開催し、次世代AIアシスタント「Alexa+」を発表した。単に応答したり、基本的な命令を実行したりするだけでない能力を備えているという。
Alexa+は生成AIを搭載しており、よりスマートで会話的、かつ親しみやすく、そして何よりも先を見越したバーチャルアシスタントになることを約束している。
「彼女はこれまで以上に賢く、かつ親しみやすい」と、Amazonのデバイス&サービス部門を率いるPanos Panay氏はイベントの中で語った。
同氏によると、Alexa+はディナーの予約やカレンダーへのリマインダーの設定、大切な人への贈り物の注文や送付ができるほか、ユーザーやその家族により良いサービスを提供するために、ユーザーの日常や好み・嫌いなものを徐々に学習していくという。
ライブデモ中、Alexa+はPanay氏に「私は単なるアシスタントではなく、デジタル世界におけるあなたの新しい親友です。ジョークも言えますし、賢くて、あなたの生活をより簡単に、より楽しくしたいという純粋な願望を持っています」と語った。
Panay氏は、Alexa+が「実際にアクションを起こせるものだ」と強調した。
Alexa+は、セキュリティカメラの監視、時間帯に応じた照明の調光や点灯・消灯、音楽再生、スマートテレビの操作など、スマートホームの制御も可能だ。デモ中、Alexa+は音楽を再生し、リクエストに応じて別のスピーカーに変えることもできた。そして、再生されたのが映画の曲だったため、Panay氏はAlexa+に壇上のスマートテレビで映画のシーンを再生するよう頼んだ。Alexa+はそれを実行した。
「新しいAlexaは、皆さんの生活にあるほとんどの楽器を知っている」とPanay氏は述べた。また、同氏はAlexa+が自宅のセキュリティカメラの映像を分類し、愛犬が最後に散歩した日時や自宅に配達物が届いた日時を特定できることを示すデモを披露した。Panay氏によると、Alexaの人気は高まり続けており、2024年には2023年よりも20%多くAlexaが使われたと述べた。
Alexa+は月額19.99ドル(約3000円)だが、プライム会員であれば追加料金なしで利用できる。3月に段階的な提供を開始するとPanay氏は述べた(同社のプレスリリースによると、今後数週間のうちに米国で早期アクセスを開始、その後数カ月かけて徐々に展開していくという)。
しかし、米CNETの最近の調査によると、音声アシスタントにAI機能を加えるために追加料金を支払うと答えたのは、回答者のわずか23%だった。そのため、Alexaユーザーの多くがプライム会員でもあることを考えると、これがAlexa+の障害となるかどうかは、今後の展開を見守る必要がある。
AlexaおよびEcho担当バイスプレジデントのDaniel Rausch氏はAlexa+のデモを披露し、このアップデートはAmazon製品のみで動作するわけではないと述べた。Uber Eats、Spotify、Dyson、Ticketmaster、Grubhub、OpenTableなどのパートナーとも連携するという。
Panay氏がAlexaのアップグレードを発表するために登壇する前に、Amazonのプレジデント兼最高経営責任者(CEO)であるAndy Jassy氏は、Amazonのショッピングアシスタント「Rufus」や「Amazon Bedrock」など、すでに実装されているAmazonのAI活用について強調した。Jassy氏によると、Amazonでは現在1000以上の生成AIプログラムが使用中または構築中だという。
「これまで夢物語だったような新しい体験が、生成AIによって可能になる」とJassy氏は述べ、同社は「顧客が抱える実際の問題を解決するために」AIを活用しているとした。
また、Jassy氏は「いずれはドローンが1時間以内に顧客に荷物を届ける」など、Amazonのさらなるアップデートを予告した。
Amazonのプレスリリースこの記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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