語学学習アプリ「Duolingo」のマスコット、緑色のフクロウ「Duo」が“死去”した。しかも、その“殺害”を仕組んだのは同社のマーケティングチームというから驚きだ。SNSで繰り広げられた疑似的な弔いムードに、英国の歌手デュア・リパ氏をはじめ、他のブランドやゲーム会社、そしてネットのミーム創作者たちが次々に乗っかったことで、話題が急速に広がっている。
ことの発端となったのは、スーパーボウルのハーフタイムショーだ。米国の人気ラッパーであるケンドリック・ラマー氏が、カナダ出身のラッパーであるドレイク氏をディスる演出を行った。
この演出について、Duoがドレイク氏の“死”をからかう内容を投稿。そこでは「全国放送で自分の葬式を見届けたあとのドレイク氏」という文言とともに、やや粗いアニメーションが投稿されていた。しかし、その2日後にまさかDuo自身が“死亡”宣告を受けるとは、誰も予想していなかった。
Duolingoの公式アカウントは、葬送ムードを醸しながらDuoの死を発表し「当局が死因を調査中であり、われわれも全面的に協力している。正直言って、君がレッスンをサボったせいで待ちくたびれたんじゃないかと思うが、詳しくは分からない」とコメント。さらに「敵の多いマスコットだった」という情報を付け加えつつ、Duoの正式名称を「Duo Keyshauna Renee Lingo」として追悼文を公開した。文末には「花束の代わりに、どうかDuolingoでレッスンを」という言葉が添えられていた。
TikTokでは、ほかのキャラクターマスコットたちが棺桶に入ったDuoをピックアップトラックに乗せる映像まで公開され、悪ノリに拍車をかけている。続いて投稿されたアップデートでは「公式が死因を特定。詳細は後ほど。DuoLingoのために思いを寄せてくれてありがとう」と報告し、さらなる注目を集めた。
この一連の“死亡騒動”には、アイスクリームチェーンのBaskin Robbins(日本でサーティワンを運営)やスナック菓子Cheez-It、ゲーム作品の『Halo』、映像配信のNetflixなど、多くの企業やブランドの公式アカウントが次々反応。「モンスターハンター」は「実はウチが仕留めた」というような冗談めいた投稿を行い、各社がこぞって“共犯者”を名乗り出す珍現象まで起きている。
そんな中、ポップスターのデュア・リパ氏が「“死”が二人を分かつまで)」というメッセージと壊れたハートの絵文字を投稿したことが、さらにファンを驚かせた。以前のコラボ動画から、Duoとの間に“恋愛関係”を匂わせる設定があったというストーリーも背景にあり、公式からも「Dua Lipaのプライバシーを尊重してください」とのコメントが出された。
ネット界隈がDuoの死因(莫大なマーケティング効果以外の理由)を待っている間、ジョークを理解している人たちは追悼ムードを続け、それ以外の人たちは首をかしげる状況になっている。
なお、ブランドのマスコット“死去”騒動といえば、2020年にピーナッツでおなじみの「Mr. Peanut」がスーパーボウル直前に“焼かれる”という大がかりな演出を行ったが、試合中のCMで“赤ちゃん”姿としてちゃっかり復活したのだった。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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