OpenAIは、有料プラン向けに最新の生成AIモデル「o3-mini」を正式リリースした。また、無料ユーザーも、AIモデルの選択肢には表示されないが、チャット画面の「推論」または「理由」(Reason)を選択することでo3 mini利用できる。
これは、中国DeepSeekのR1が先週末にリリースされ、シリコンバレーに衝撃を与えた一週間の終わりに行われた発表だ。
o3-mini、は推論モデルであるo3の軽量版で、回答を作るのに時間はかかるものの、より複雑な情報を扱って大きな出力を生成できる。OpenAIによれば、特に数学、科学、コーディングで高速かつ優れたパフォーマンスを発揮する。最上位のo1モデルと比較しても処理速度で優位に立つとされている。
また、o3-miniは関数呼び出し機能を備えており、株価など外部データを取得してJSONやXMLといった形式で応答を返すことが可能。開発者向けメッセージにも対応し、回答を段階的に表示するストリーミング機能も持つ。ただし、画像を解析する機能は備えていないため、写真を読み込んで認識させるような用途には使えない。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
今回のo3-miniリリースは、先週末にネット上で公開されたDeepSeek R1を意識した動きだ。中国発のDeepSeekが作り上げたR1は無料・オープンソースで、しかも旧式のNVIDIAハードウェアで動作可能なうえに高い推論性能を実現したという。その登場で、週明け月曜日の株式市場ではテック銘柄が一気に下落した。
DeepSeekは、開発コストを大幅に抑えつつ効率的な「推論」モデルを生み出せたと説明しているが、具体的なトレーニング費用の内訳は公表していない。とはいえ、R1はすでに多くのユーザーに利用されており、ChatGPTの月額200ドルプロプランに含まれるo1モデルに匹敵するパフォーマンスを示していると注目を集めている。
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DeepSeekのリリースは「AIモデルを進化させるには巨額の資金と最新鋭のコンピューティングリソースが必要」と考えてきたシリコンバレーの常識を覆した。ビッグテックがAI開発に何十億ドルも投資してきたのは、この“常識”が根強かったからだ。NVIDIAのようにAI革命を支えるハードウェアを供給している企業にとっては、古いハードウェアでも強力なモデルが作れることがわかったのは大きなショックとなり、投資家たちの不安をかき立てている。
OpenAIは今回のo3-miniの公開とともに、より高性能なo1-miniモデルの利用枠を拡大するとしている。さらに、o3-miniはインターネットに接続して最新情報を取得する機能も備えており、今後ますます活躍の場が広がりそうだ。
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