モバイル充電器などを手掛けるアンカー・ジャパンは1月29日、家庭用蓄電池「Anker Solix XJシリーズ」の販売を開始し、家庭用蓄電池市場に本格参入すると発表した。
訪問販売が主体の蓄電池市場において、オンラインで簡単に見積もり可能。アンカーが一機通貫で請け負うことで、設置までをワンストップで提供し、顧客のコミュニケーション負荷を最小化するという。
家庭用蓄電池は、蓄電池とソーラーパネルを自宅に設置することで、ソーラーパネルで生み出した電力を蓄電池に蓄えつつ、蓄電池から家の電力システム自体に給電できる。停電などの災害対策、電気代の削減などに効果があり、導入家庭が増加傾向にあるという。
今回発表したAnker Solix XJシリーズは、「Anker Solix XJ 蓄電池セット」の3種類。約1日分の電力を確保してスマホの充電といった最低限の電力をカバーできる5000Wh、冷暖房を含む家電を約2日使用でき、4人家族に最適な1万Wh、最大3日分の電力を確保でき、4人以上の家族やオール電化住宅に対応する1万5000Whの3セットで、それぞれ蓄電池とパワーコンディショナー(電力を制御する装置)を含むという。
いずれも、奥行きはわずか15cm、駆動音も29dB以下と非常に静かで、IP65の防じん、防水仕様。マイナス20度でも耐えられ、設置場所を選ばないとしている。
バッテリーには耐久性が高いリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、バッテリーパックごとに8つの異常検知センサーを搭載。パワーコンディショナーには電気回路内で電圧が高まると発生する電気火花「アーク放電」を素早く検出、0.5秒以内に電源を遮断する機能を搭載する。国内規格であるJET認証、国際規格のIEC63027を取得済みで、アンカージャパン公式オンラインストア会員の場合の製品保証期間は15年に設定。アンカーの他製品同様に電話やメール、チャットなどでカスタマーサポートも提供するため、長く安心して使うことができるとしている。
加えて、Anker Solix XJ 蓄電池セットの購入特典として、「10万円分のAnker製品クーポン」「10年分のAnkerあんしんサポート」「10年分のAnkerマイレージプログラム プライムパス(年額1980円)」も提供するという。
価格は工事費などで変動するが、本体価格は100万円後半~300万円弱を想定。総額では月々の支払いが1~2万円台になる見込みで、15~20年を目途としたローンでの提供も視野にあるとしている。
アンカー・ジャパン 代表取締役CEOの猿渡歩氏は、家庭用蓄電池の現状として「訪問販売での導入が主流で、興味のない方への過度な営業や複数の業者とのやり取り、印鑑や紙での契約など、コミュニケーションが複雑化している。導入までに時間がかかることもある」と指摘。見積りから設置工事日程の調整までがオンラインでできる点など、同社の10年以上の知見を生かした新たなビジネスモデルを促進するという。
また、アンカー・ジャパン 直営事業本部本部長 宮本丈太郎氏は「例えば、一軒家の4人家族が1万Whの蓄電池とソーラーパネルを設置した場合、昼に太陽光で発電して蓄電池に電力を貯め、夜間に貯めた電力で空調やテレビ照明を使用すると、電気代を月額で1万5500円ほど削減できる」と話した。
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