日本HPは1月16日、法人向けPC「HP EliteBook」やワークステーション、ゲーミング関連製品などの新ラインアップを発表した。
新たに発表したHP EliteBookは、搭載CPUがインテルのモデルとAMDのモデルの2機種。インテルのCPUを搭載するモデルは、「Core Ultra 5/7」プロセッサー搭載で、NPUパフォーマンスが最大48TOPSの「HP EliteBook X G1i 14 AI PC」となる。HP希望販売価格(以降、価格は全て税込み)は40万1500円~で、2月下旬に販売を開始する。
AMDの「Ryzen PRO」搭載、最大55TOPSの「HP EliteBook X G1a 14 AI PC」は、HP希望販売価格が47万79500円~。1月下旬に販売を開始する。
法人向け新PCは、2機種ともに14インチ型の次世代AI PCという位置づけ。正確なユーザー検知とそれに伴う画面輝度調整に対応するAI強化型ウェブカメラセンサーを搭載し、「Poly Studio」の音声明瞭度を高め、クリアな会議体験ができるという。
同社のウィルス対策ソフト「HP Wolf Security」や独自のセキュリティチップ「HP Endpoint Security Controller」、のぞき見検出機能を組み込むウェブカメラセンサーなどにより、AI強化型の保護を提供するとしている。
ワークステーションとしては、最大50TOPSのAI性能を実現できる「Ryzen AI Max PRO」を搭載した世界初のモバイルワークステーション「HP ZBook Ultra G1a 14 inch」と、ミニワークステーション「HP Z2 Mini G1a Workstation」の2機種を発表した。
2機種ともにAMDとの共同開発モデルで、さまざまなソフトウェアをより小型かつ軽量なデバイスで使用したいというニーズを反映。コンパクトな設計で高いパフォーマンスを実現可能で、ユーザーは3D設計、グラフィックスを多用するプロジェクトのレンダリング、LLM(大規模言語モデル)などの作業をローカルで同時に実行できるという。
ZBook Ultra G1a 14 inchは、量子ハッキング防止機能や多重のセキュリティ機能を搭載し、74.5Whrのバッテリーで外出先でも安心、快適に作業できる。また、モバイルワークステーションのポートフォリオとして初の「Ultra」となる。HP希望販売価格は31万6800円~で、3月中旬に販売を開始する。
Z2 Mini G1a Workstationは、GPUに最大96GBを専用に割り当てられる128GBの統合メモリーアーキテクチャーを搭載。さまざまなグラフィックス性能が求められるワークフローに対応できる。
ACアダプターではなく内部電源を採用し、デスクの上下やモニターの背面などに取り付け可能。高密度ラックマウントソリューションとして、パフォーマンス、管理性、およびセキュリティを組み合わせられるとしている。HP希望販売価格は未定で、5月以降に販売を開始する。
同社は同日、ゲーミング関連デバイスも発表。PCは、インテルおよびAMDのCPUを搭載する、冷却機能を強化したノートPC「OMEN MAX 16」(価格はそれぞれ52万8000円~、未定)と、デスクトップPC「OMEN 16L Desktop」(それぞれ22万円~、20万9000円~)の4機種。
また、AIを活用した「OMEN AI(ベータ版)」も発表。ハードウェア構成やゲーム内の設定、OS設定といった複合的な要素を分析し、ゲーミングPCが発揮できる最大のゲームパフォーマンスをワンクリックで取得し、ゲーム内設定に保存、実行できるという。「Counter-Strike 2」に対応するほか、他の人気タイトルにも随時拡大するとしている。
関連デバイスは、「Google TV」搭載、HP初のゲーミングディスプレイとなる「OMEN 32x スマートゲーミングディスプレイ」(価格は未定)、「HyperX Pulsefire Saga Pro Wireless ゲーミングマウス」(1万7390円~)、「HyperX Pulsefire Sagaゲーミングマウス」(1990円~)の3種類となっている。
日本HP 代表取締役 社長執行役員 岡戸伸樹氏は、HPの2024年度の業績について、売り上げの成長は昨年対比でほぼ同様としつつ、「第4四半期(8~10月)のPCの売り上げのうち、AI PCは15%に到達した。ほぼ想定内」と振り返る。
また、「2023年の調査で38%だったナレッジワーカーのAI利用率は、2024年で66%と大幅に高まった。日本は36%と他国と比べるとまだまだ低いが、2023年から利用率が大きく上がった点は同じ傾向だ。AIを利用することで生産性が向上し、より重要なことに時間を使える」(岡戸氏)と語った。
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