クアルコム、「Arm」と比較した「RISC-V」について説明

 クアルコムでシニアディレクター プロダクトマネージャーを務めるKarl Whealton氏は日本時間10月24日、日本メディアのインタビューに応じた。

 Whealton氏は、クアルコムがSnapdragonなどで採用しているアーキテクチャの「Arm」と、オープンソースの「RISC-V」との違いに関する質問についても回答した。

 RISC-Vは、オープンソースの命令セットアーキテクチャ(ISA)が特徴だ。Armとは異なり、ライセンス料が不要で、GoogleやNVIDIAなどの主要企業もRISC-Vに注目している

 Whealton氏は、ArmとRISC-Vの違いについて、「技術的かビジネス面かの視点によるが、大きな違いがある」としつつ、次のように述べた。

 「高い視点では両者は似ている部分もある。RISC-Vは新しいアーキテクチャで、より効率的だ。一方、Armは長年にわたり多くの課題を解決してきたため、より成熟している」

 また「多くのデバイスがArmで動作していることは重要で、エコシステムもArmは非常に強力だ。一方のRISC-Vはオープンソースであり、オープンスタンダードの一部として、さまざまなパートナーが利用できる点が大きな特徴だ」とした。

第2世代Oryon CPUを搭載した「Snapdragon 8 Elite」もArmベースだ 2世代Oryon CPUを搭載した「Snapdragon 8 Elite」もArmベースだ
※クリックすると拡大画像が見られます

SnapdragonがRISC-Vに移行する場合の障壁は

 また、クアルコム製品がArmからRISC-Vに移行すると仮定した場合の課題については次のように回答した。

 「私たちはRISC-Vコミュニティで非常に活発に活動している。最終的には、クアルコムを含むすべての市場でRISC-Vを第一級の命令セットの選択肢にすることを目指している。そのためには、OSベンダーやエコシステムとの緊密な連携が必要で、アプリケーションベンダーがRISC-V上で開発しやすい環境を整えることが重要だ」

 さらに同氏は「最近、モバイル分野ではGoogleやクアルコムなどの主要プレイヤーが関わり、Arm32からArm64への移行が行われた。全く異なる命令セットへの移行にも関わらず成功した」と言及。

 上記を踏まえ、RISC-Vへの移行についても「大きな障害はないと言える」とコメント。一方で「多くのチームによる作業が必要で、特にOSベンダーやハードウェアメーカーとの連携が不可欠になる」と付け加えた。

 また、RISC-Vはオープンソースのプロジェクトである点も指摘した。「一人の指導者が全てを決めるわけではなく、複数の関係者が合意形成を図る必要があるため、進行が遅くなることもある」と述べた。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]