Metaは米国時間10月21日、著名人をかたる詐欺からユーザーを守るための新たな顔認識機能をテストすると発表した。また、アカウントへのアクセスを迅速かつ容易に復旧する手段としても顔認識技術を利用する。
こうした詐欺では、コンテンツクリエイターや著名人などの写真を悪用して、ソーシャルメディアユーザーに広告をクリックさせ、詐欺サイトに誘導して金銭や個人情報を盗む。
Metaは、毎日同社のプラットフォームに投稿される膨大な数の広告を自動化された技術で確認し、詐欺的なコンテンツがないかチェックしているという。しかし、合法的な広告でも有名人が登場することは一般的であり、その違いを見分けるのは難しい場合もある。
新しい機能では、詐欺の疑いのある広告に登場する著名人の顔を、その人の「Facebook」や「Instagram」のプロフィール写真と比較する。一致が見つかり、詐欺が確認された場合、Metaは広告をブロックする。
Metaのコンテンツポリシー担当バイスプレジデントであるMonica Bickert氏によると、少数の著名人を対象とした初期のテストでは、詐欺広告をより迅速かつ正確に検出できるという有望な結果が得られたという。今後数週間のうちに、Metaは詐欺広告の問題に遭ったことのあるより多くの著名人に通知した上で、この対策の対象に加える予定だ。登録された人はいつでもオプトアウトすることができる。
また、同社は著名人になりすます詐欺アカウントの検出にも、顔認識を利用することを検討している。サイバー犯罪者は多くの場合、偽のアカウントを使って詐欺的な投資詐欺や懸賞を装い、消費者の機密情報や金銭をだまし取る。
顔認識技術は、アカウントを素早く復旧させるための手段としても利用される。この復旧プロセスでは、自分の顔を動画で撮影するよう求められる。動画はアカウントのプロフィール写真と照合され、一致が確認されればアカウントを復旧できる。
このプロセスには約1分かかる。Metaによると、この新しい認証方法は従来のドキュメントベースの本人確認よりも、サイバー犯罪者による不正利用が困難だという。
Metaは、照合の際に生じた顔のデータはただちに削除されるとも述べた。
Testing New Ways to Combat Scams and Help Restore Access to Compromised Accounts(Meta)この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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