シャープは9月17日、京都芸術大学と共同でウェアラブルデバイス「AIスマートリンク」を開発したと発表した。生成AIとの自然なコミュニケーションを実現する。9月17~18日に開催した「SHARP Tech-day」で披露した。
AIスマートリンクは、シャープのウェアラブルスピーカー「AQUOS サウンドパートナー」同様の形状で、首にかけて使用する。本体には、シャープが開発中のエッジAI技術「CE-LLM」(Communication Edge-LLM)を搭載したほか、カメラやスピーカーを備え、生成AIと音声によるコミュニケーションが可能だ。
外国語で書かれた看板を見た時に「この看板にはなんて書いてある」と問いかけると、翻訳し声で伝えてくれることがポイント。さらにそれが11月開催のイベントであれば、「11月の予定を教えて」と話しかけると、スケジュールを調べて、予定の入っていない日程に登録できるなど、インタラクティブなやりとりができる。
共同開発者である京都芸術大学では、教授の小笠原治氏の下、一部の学生がプロトタイプを使用しているとのこと。学生を中心に制作したデモムービーでは「その服に合うアクセサリーは黄色のお花のデザイン」や、自転車での移動中に「この辺に新しいパン屋ができたみたいだけど行ってみない」などの提案をしてくれる様子が映し出され、近未来の使い方を示した。
シャープでは、生成AIで提供するユーザー価値を「Act Natural(アクトナチュラル)」と名付け展開していくと発表。「新技術が登場すると、人間はそれを使いこなすことに一生懸命になるが、生成AIはそうではなく、生成AIがあることによって皆さんの行動をもっと自由に、自然にしていこうという切り口で、開発にフォーカスしている。アクトナチュラルをベースに『スマートライフソリューション』『スマートオフィスソリューション』、そして、そこに提供するウェアラブルデバイスを提案していきたい」(シャープ 専務執行役員 CTO兼ネクストイノベーショングループ長の種谷元隆氏)とAIスマートリンクの開発の背景を明かした。
SHARP Tech-dayの基調講演では、機械学習フェーズだったAIに知能を授ける取り組み「AIoT」を「AIoT3.0」としてさらにシフトアップしていくことも発表している。
SHARP Tech-dayでは、約50を超える展示を実施し、ビジネスパートナーとともに推進していく姿勢を見せた。種谷氏は「展示を見ていただき、皆さんのご意見やビジネスをともにやろうというお声がけもいただきたい。私たちの技術をオープンにすることで、開発には4~5年かかると思っていたものが2年後に実現できる世界を望んでいる」と共創を呼びかけた。
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