ファッションEC「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは8月30日、ZOZOTOWNユーザーによるアイテムレビュー投稿に対し、生成AIを活用してガイドライン違反を検出する独自ツール「アイテムレビューパトロール」を自社開発し、4月から運用を開始したと発表。このツールを4カ月間運用した結果、担当者のガイドライン違反チェックにかける業務時間は67.7%削減、チェック件数は68.5%削減したという。
アイテムレビューパトロールは、ユーザーのアイテムレビュー投稿をAIがパトロールし、ZOZOTOWNのレビューガイドラインに基づいて、違反を自動で検出するツール。大規模言語モデルを活用しており、大規模言語モデル特有の不確実性に対応するために、検出されたレビューを担当者が目視で確認することを想定して開発したという。
同社によれば、以前は担当者が違反となるレビューがないかをイチから目視でチェックしていたが、同ツールの導入により、ガイドライン違反の可能性が高いと判断されたレビューのみをチェックすればよくなり、生産性が向上したという。
ZOZOにおける生成AIの業務活用として、2023年6月下旬から2024年3月末までの約9カ月間で、社内各部署からのニーズをもとに23個のツールを独自開発。情報システム部門への社内問い合わせに対する一次回答を自動化した「問い合わせ対応bot」や、営業担当者が作成する週次報告資料に入れ込むべきトピックスをまとめてくれる「週ごとの売上トピックス作成ツール」、サービス上で公開する記事コンテンツを作成する際のタイトルと目次を生成する「記事タイトル&目次ジェネレーター」などは、現在も適宜アップデートを続けながら全社で運用、活用されているという。
また、エンジニアの開発プロセスの効率化を目的に「GitHub Copilot」を、2023年5月から導入。所属する全エンジニア約500名が活用し、社内アンケートでは、89.4%が「GitHub Copilotを使用することでより生産的になった」と回答。また、50%が「仕事の充実感が増し、コーディング時のイライラが軽減され、より満足度の高い仕事に集中できるようになった」と回答している。
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