メルカリが「美露可利」として台湾進出、越境取引で日本の出品物を購入可能に--さらなる海外展開も

　メルカリは8月29日、越境取引を通じて台湾へ進出すると発表した。台湾のユーザーは会員登録をすることで、ウェブ版メルカリを通じ、日本で出品された商品を購入できるようになる。今後は台湾以外のさまざまな国に進出し、中長期的には海外から出品できる機能の実装もめざす。

美露可利

　サービス名は「美露可利」として展開する。読みは「メルカリ」だという。商品名や商品説明も繁体字で表示され、購入までのすべてのプロセスを中国語で完結できる。

　なお、メルカリは2019年から越境取引を開始している。現時点で74の越境EC事業者と連携し、120の国と地域で、購入代行サービスサイトを通じてメルカリで出品された商品を購入できる。

　今回、この取り組みを強化し、購入代行サービスサイトを経由しなくても、Web版メルカリから日本の商品を購入できるようにした。台湾への発送や購入者とのやりとりは越境EC事業者が代行するため、日本のユーザーは通常と同じ出品手順と手数料で済む。

　グローバルにおける越境ECの市場規模は急拡大している。メルカリでGeneral Manager Cross Borderを務める迫俊亮氏は「（市場規模は）2021年には7850億ドルだったが、2030年には8兆ドルまで急拡大する見通し」と説明する。

General Manager Cross Borderを務める迫俊亮氏

　また、アニメや漫画といった「クールジャパン」の広がりや、世界中で「日本の中古品は高品質」と評価されている点、さらに昨今の円安も背景に、「日本からの越境ECは明確な需要がある」（迫氏）と述べた。