吉野家ホールディングスは8月28日、オーストリッチ(ダチョウ)に関する事業を開始すると発表した。同日、吉野家の一部店舗で「オーストリッチ丼~スープ添え~」を販売開始する。また、同社の100%子会社となるSPEEDIAが、オーストリッチオイルを配合したスキンケア商品「グラマラスブースターオイル」「グラマラスエイジングクリーム」を販売開始する。
吉野家ホールディングスで代表取締役社長を務める河村泰貴氏は本事業開始の背景について、世界的な人口増加や気候変動などにより、食糧問題が危惧されていることをあげる。
「食糧の種類の集中化を防ぎ、多様な食糧によってお客様の健康を維持する必要があると考えている。主幹事業である吉野家で提供している『牛丼』に続く第2の柱として、当社では鶏のから揚げを据えるなど畜種分散をしているが、さらに未来を見据えてオルタナティブミート(代替肉)の研究を進めている。そんな中、多様な選択肢の1つとしてオーストリッチに出会った」(河村氏)
オーストリッチ丼はオーストリッチのガラスープを添えて、28日から吉野家の「クッキング&コンフォート」スタイルの店舗で販売開始する。約6万食の数量限定となる。
続いて河村氏は、吉野家の100%子会社として、SPEEDIAが本格的に事業を展開すると発表。同社は、ダチョウの飼育、研究、商品開発、販売を手掛ける。
SPEEDIAは、2017年からオーストリッチの研究を開始。オーストリッチオイルに肌へ美容成分を浸透させる効果があること、ダチョウの肉に疲労改善や血管老化防止の効果があることを確認したという。
京都府立大学で学長を務める獣医師・獣医学博士の塚本康浩氏は、「ダチョウは牛に比べると、4分の1程度しか飼料を必要としない。飼育過程におけるメタンガスの発生も少なく、環境に優しい動物」と、オーストリッチが普及する利点を述べた。
河村氏はオーストリッチに関する事業の開始を「今回はキックオフに過ぎない」と述べ、吉野家においてオーストリッチミートを、牛豚鶏以外の「第4の肉」にしていきたいと語った。
今後も吉野家ホールディングスはオーストリッチを使用した商品開発を進めるほか、オンライン通販、卸売販売も検討していくという。
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