経済産業省は、生成AIのコンテンツ制作への利活用の可能性に着目し、コンテンツ制作に携わる産業界に向けて、利活用の方向性を示すガイドブック「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」を作成。7月5日付けで公表した。
経済産業省において、進化・発展を続けている生成AIのコンテンツ産業における活用可能性に着目し、利活用の促進に向けて、特にゲーム・アニメ・広告の各産業における利活用ケースを調査し整理するとともに、政府関係省庁の各種ガイドライン等を前提として、コンテンツ制作において生成AIを利活用する際の法的留意点ならびに、対応策を検討。
それらの調査・検討等の成果として、コンテンツ制作に携わる産業界に向け、知的財産権等の権利・利益の保護に十分に配慮した、コンテンツ制作における生成AIの適切な利活用の方向性を示すものとして、本ガイドブックの作成、公表を行ったという。ガイドブックは、「令和5年度コンテンツ海外展開促進事業(コンテンツ産業における先端的技術活用に関する調査)」の成果物として作成され、当該事業の事業報告書と一体となるものとしている。
ガイドブックによれば、Stable Diffusionの公開(2022年8月)や、ChatGPT(GPT-3.5)の公開(同年11月)などによって生成AIブームが巻き起こり、大量のデータ処理や業務の効率化、新たなクリエイティビティの創出など、さまざまな産業の業務のあり方を変化させ、日常生活にも影響を与えている。コンテンツ制作の現場でも例外ではなく、生成AIの活用により、コンテンツ制作における多くの場面でクリエイティブに貢献できる側面があるという。
一方で、知的財産権など権利・利益の侵害、誤った情報を流通させる危険性など、さまざまな懸念点や留意点もあると指摘。もっとも中長期的には、今後もAI技術は進化・発展を続け、日常生活やさまざまな産業の構造・業務のあり方などにも影響を与え、コンテンツ制作のあり方をより一層変化させることが予想されるという。
今後AI技術が進化・発展することが前提とするならば「AIとうまく付き合い、共生する」ことが求められるとし、コンテンツ産業でも、コンテンツ制作の中心は今後も人間による創作であることを意識しながら、知的財産権等の権利・利益の保護に十分配慮しつつ、生成AIを適切に活用することが望ましいとしている。
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