スマートフォンなどを開発・販売する英Nothingは7月5日と6日、東京都渋谷区のクレインズ6142で、「Phone (2a) Special Edition」の日本発売を記念したデザインイベントを開催する。
7月8日に国内で発売するPhone (2a) Special Editionを100台限定で先行販売するとともに、同製品をはじめとした同社のスマホ、イヤホンなどを展示。発売記念のうちわ、Nothingブランドステッカーなどの来場者プレゼントも数量限定で用意する。
初日となる7月5日の朝には、Nothing CEOのカール・ペイ氏と、「INFOBAR」などを手がけたプロダクトデザイナーの深澤直人氏が、「テクノロジーと愛されるプロダクトデザインとは」をテーマとしたトークショーを実施。Nothing Japan 日本担当マネジメントディレクターを務める黒住吉郎氏がモデレーターを務めた。
深澤氏は、「1つのブランドで数100万個売ればヒットという時代から、2つの大きなOSの会社の出現で、何億人が同じ物を使う時代となった。そこから約10年、みんなが同じ物を使うのはつまらないという波が来ているなか、何とも表現しがたい新しい魅力、新しい世界ができつつある」と話す。多くのユーザーがiPhoneなどを持つ時代からシフトしつつあるタイミングで出現したNothingを評価する。
また、“AIとプロダクトデザインの未来は?”と投げかけられると、「私たちは既にAIにどっぷり漬かってしまっており、AIでどうなっていくかを今さら予測立てる時代ではない。(テクノロジー業界などではない)一般の人たちには、AIがどんなものなのか実際の姿が見えず、不安材料ばかり表に出てきている。しかし、簡単に実装されていて、AIでなければできないような状態になっていることは事実だ。ネガティブな捉え方をしてしまうことはコンピューターのテクノロジーが進化する上でたくさんあるが、姿が見えないAIにデザインで姿を与え、味方にし、一緒に考えていくような世界を作らなければいけない」(深澤氏)と、デザインが持つ重要性を語った。
ペイ氏も、「職やクリエイティビティが奪われる、動画や画像がAIで作れてしまう時代になる、という恐怖はわかる。しかし、AIはあくまで人が使うツールで、人を助けるものであると捉えるのが原則だ。AI自体が最終的に目指すプロダクトという究極的な伝え方をしている企業が多すぎる。(各企業は)より透明性を持ち、何を作っているかを分かりやすく伝えるべき」と続け、Nothingがブランドの中核としている透明性の価値を語った。
Phone (2a) Special Editionは、6.7インチのフレキシブルAMOLEDディスプレイに、「MediaTek Dimensity 7200」「Nothing OS」、5000万画素のデュアル・リアカメラ、5000mAhのバッテリーを搭載する。
過去の製品で使用してきたレッド、イエロー、ブルーを同社の製品としてはじめてボディに同時採用。三原色の可能性を追求したデザインで、単なる機能デバイスを超えた印象的なアート作品に昇華させたという。国内モデルは「おサイフケータイ」に対応し、販売価格(税込)は5万5800円。
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