NiceEzeは6月17日、販売機能を併設したAI宅配ボックス「スマロビ」の提供を開始したと発表した。
スマロビは、あらゆる大きさの荷物を格納できる変形式のAI宅配ボックス「スマロビAIラック」と、飲料や食品、日用品などを冷蔵にて販売するAI無人ストア「スマロビAIストア」から構成される。初期導入費用は無料で、運用費は月額1~2万円(税抜)。5月から勝どきエリアのマンション「プラザ勝どき」で実施していた約1カ月間の実証実験を経て、6月17日から提供を開始する。
スマロビAIラックは、棚の高さを変えられ、さらに仕切りをなくしたことで、従来の宅配ボックスと設置面積を変えずに2倍以上の宅配物を格納できるという。また、宅配ボックスに荷物が入らないことがないため、再配達を依頼する手間や、時間指定による荷物の受け取りを待機する必要がないとしている。
さらにIoT監視カメラとAIにより、荷物の受け取り間違いや移動があった際に各種アラームを出して居住者のセキュリティ対策を行うと共に、不動産事業者は利用状況を分析できる。2024年末には、冷蔵や冷凍の荷物も預け入れできるよう対応するという。1ラックのサイズは高さ1800mm×幅900mm×奥行き450mmで、最大5ラックまで拡張設置が可能だ。
スマロビAIストアは、飲料や食品、日用品を冷蔵にて無人で販売し、Apple Pay、e-payment、クレジットカードから決済方法を選択してスマホで買い物ができる。サイズは高さ2040mm×幅700mm×奥行き660mm。今後は冷凍での販売にも対応する予定だという。
居住者と配送員は専用アプリをダウンロードし、QRコードを使用して荷物の預かり情報を取得したり、荷物の投函手続きなどを行う。
NiceEzeで代表取締役を務める松浦学氏はサービス提供の背景として、「物流の2024年問題」があったと話す。2023年6月の内閣官房による関係閣僚会議では、2024年度に再配達率6%を目指すことが盛り込まれているが、都市部の再配達率は12.1%と依然として高く、横ばいが続く。スマロビの導入によって、再配達やCO2排出量の削減に貢献できると考えているという。
「仕切りがある従来の宅配ボックスは、ゴルフバックが入るような大きさのところにレターパックが投函されているなど、スペースを上手く使うことができなかった。スマロビはこの問題を解消し、2026年中期計画で約6万世帯分の1500台、2033年には約400万世帯分の10万台の導入を目指し、市場シェア30%を目標とする」とコメントした。
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