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利用率6割、「BeReal」が大学生に大人気の理由--実際の使われ方は? 授業やバイトの中断も

 映えない系SNS「BeReal」が、大学生を中心に人気となっている。Z総研が6月に発表した「Z総研2024年上半期トレンドランキング」でも、BeRealは「流行ったコト・モノ」(1位、55.8%)、「流行った言葉」(2位、43.0%)でランクインするなど、注目が集まっている。BeRealの機能、人気の理由、使われ方までをご紹介したい。

  1. インスタの真逆、「映えない系」アプリ
  2. 大学生の利用率は6割弱--口コミ中心で人気に
  3. 素の姿を見せ合える
  4. 制限を楽しむゲーミフィケーションもポイント

インスタの真逆、「映えない系」アプリ

 BeRealは、1日1回来る通知に合わせて撮影する写真共有SNSだ。通知の時間はランダムで、いつ来るのかわからない。

 通知がきたら、2分以内に撮影しなければならない。制限時間内に撮影、投稿しないと遅れた時刻が表示されてしまう上、投稿するまで友達の投稿はぼかしが入った状態となって見られなくなってしまう。友だちの投稿を見たいなら、タイミングにかかわらず投稿しなければならないというわけだ。

 インカメラとアウトカメラで同時に撮影するようになっており、周囲を撮影時に撮影時の自分も必ずインカメラで撮影する仕組みだ。

 スマホに保存してある写真や動画は使えず、編集や加工などもできない。つまり映えるスポットで自撮りし、加工して投稿するのが当たり前の「Instagram」とは真逆の、「映えない」系アプリというわけだ。

大学生の利用率は6割弱--口コミ中心で人気に

 筆者が講師を務める大学で受講生を対象にアンケートを取った。有効回答数は246人、男女比はほぼ半々であり、1年生が6割近くを占め、2年生が3割程度、残りが3年、4年となっている。

 BeRealの利用率を聞いたところ、「普段から利用している」(45.9%)、「使ったことはあるが、もう使っていない」(11.8%)と、6割弱で利用経験があった。BeRealは確かに大学生の間で流行中と言っていいだろう。

 「通知がきて講義中、バイト中などに撮影したことがある」(7.3%)、「他の人が通知がきて撮影しているのを見たことがある」(30.5%)など、周囲でも利用が目立つようだ。

 日本における月間アクティブユーザーは1年で10倍以上に成長しており、68%がアプリストアからの直接検索で、広告流入はわずか13%と、口コミからのダウンロードが主流となっているという。友だちが使っているからという理由で、学生の間で口コミで広がっているというわけだ。

素の姿を見せ合える

 友だちといるときは数名で撮ることが多いが、撮りづらいタイミングに通知がきてしまうことも。

 例えばすっぴんだったり、散らかった自分の部屋、トイレやお風呂ということもある。そのような時は、天井を撮ったり、廊下に出て撮ったり、顔をドリンクなどで隠して撮ったりなどと工夫する。

 BeRealでは、フォロワー数も「いいね」数も表示されない。SNSでありがちな、誰が人気かなどを他人と比較して落ち込んだりすることもない。

 普段なかなか見せない姿や日常が見え、盛らない、加工しない素の姿を見たり、見られたりといった機会が増えるのだ。他人の目を気にせず、素の姿を見せ合うことで、お互いを知り合い、親しくなる効果につながっている。

 大学生のメインのSNSはInstagramだ。Instagramで当たり前の盛る、映えるなどを完全に排除し、Instagramでは見えない素の姿を見せ合えることでうけていると考えられるのだ。

制限を楽しむゲーミフィケーションもポイント

 通知がきてからの2分間で如何に撮るかという点が、むしろ若者たちを夢中にさせているようだ。制限時間の2分以内に撮影できた場合、その日はさらに2回、好きなタイミングで投稿できる。映えるスポットで撮影して投稿なども可能となるので、そのためにも通知は見逃せないのだ。

 例えば、バイト中や授業中などに通知がくることもある。それも、バッグの中を撮るなど工夫してしのぐ。中には、「すみません、通知がきちゃったんで」と堂々と撮影している学生もいる。バイト先の控室やお客様の前などで撮りだすバイトや、授業中に他の生徒が写ってもおかまいなしで撮影してしまう例もあり、問題になっている。

 自分らしさを表現できる場も用意されている。友人の投稿には、「Realmoji」やコメントでリアクションできる。Realmojiは、主に自撮りで作成するスタンプで、一人あるいは友だちと「いいね」や「ハート」などを手で形作ってポーズしたスタンプや、笑顔や困り顔などの表情を変えた写真で作成している。

 学生たちは、次々と新しいSNSで大人とは違うコミュニケーションを取っている。また新しい動きが見えたら、ご紹介していきたい。

高橋暁子

ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。執筆・講演・メディア出演・監修などを手掛ける。教育出版中学国語教科書にコラム 掲載中。元小学校教員。

公式サイト:https://www.akiakatsuki.com/

Twitter:@akiakatsuki

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