「投げリアル」が流行中--Z世代に人気のSNS「BeReal」とは

 「加工できない」「投稿時刻はアプリが決める」「自撮りと周囲を必ず写す」――そんな制限だらけのSNSがZ世代を熱くさせている。フランス発のSNS「BeReal」(ビーリアル)だ。

リアルを共有する「BeReal」の画面イメージ(出展:BeReal)
リアルを共有する「BeReal」の画面イメージ(出展:BeReal)
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  1. Z世代が考える「流行りそうなSNS」--インスタ、TikTok、Twitterの次は
  2. 制限だらけのサービスで生まれた流行「投げリアル」
  3. アーティストやブランドによる公式アカウントも開始

Z世代が考える「流行りそうなSNS」--インスタ、TikTok、Twitterの次は

 LINEリサーチが2023年10月26日に発表した「今後(いまよりも)流行りそうなSNS」によると、1位「Instagram」、2位「TikTok」、3位「X」(旧Twitter)に続いて、4位に「BeReal」がランクインしている。Z世代がヘビーに利用しているSNSに続いての4位であり、注目度の高さがうかがえる。

 BeRealの仕様は、これまでのSNSとは大きく異なる。順を追って説明しよう。

 まず、1日1回アプリから通知が送られてくる。通知が来る時間は決まっていない。早朝のときもあれば、日中、夜のときもある。

 通知が来たら、2分以内にアプリのカメラで撮影する。すると、ボーナスとして計3回の投稿ができるようになるが、基本的には1日1投稿だ。2分過ぎても投稿できるが、遅れた時刻が投稿に記載される。投稿するまで友人の投稿はボカシを入れられて見られない。

 投稿するコンテンツは、前後カメラで自撮りと周囲を写した画像や動画だ。スマホに保存してある写真や動画は投稿できない。すなわち、加工アプリで加工したものは使えない。

 例えば、14時に通知が来たとする。学生であれば、ほとんどが授業中だ。普通の人は撮影しないか、机と床などを写すだろう。しかし、先生の目を盗んで自撮りと前に座る友人を写すことに成功する人、授業をサボって学食でのんびりしている様を撮影する人、まだ自宅で寝ている人など、友人のリアルが共有されていく。通知から数時間経った時間でも投稿できるが、それでは「日和った」と評価されない。このゲーミフィケーションが若者たちを夢中にさせるのだ。

制限だらけのサービスで生まれた流行「投げリアル」

 BeRealは、誰もが公平になる仕掛けを用意し、徹底的にリアルを共有させるSNSを作成した。

 投稿へのリアクションも同様だ。友人の投稿には、「RealMoji」という自撮りで作るスタンプを付けられる。「いいね」や「すごいね」などを、表情や手などで表現するのだ。同じスタンプを使いまわしてもいいし、その相手にだけ有効なスタンプを作成してもいい。会心の瞬間を撮影できたとき、友人たちの笑顔が投稿に並べば、こんなに嬉しいことはないだろう。

 いいね数は表示されず、フォロワー数もわからない。誰が一番人気者なのかということに惑わされず、お互いに等身大の自分を見せ合う。それは、友情を深めることにもつながる。

 近頃流行っているのは、「BTS」(Behind the Scenes)機能を使った「投げリアル」だ。BTSは、投稿が完成するまでの数秒間を動画として記録する機能で、よりリアルな状況が映し出すことができる。iPhoneの「Live Photos」のようなイメージだ。

シャッターを押す前の動画が撮れる「BTS」(出展:BeReal) シャッターを押す前の動画が撮れる「BTS」(出展:BeReal)
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「BeReal」の「BTS」機能(出典:BeReal)


 「投げリアル」とは、このBTSをオンにして、スマホを上に投げて撮影するもの。投げられたスマホが空中をくるくる回転しながら落ちてきたら、キャッチしてシャッターを押し、自撮りと前方を撮影する。撮影時には、撮影者が前方にいる人を指さすこともお決まりだ。

 このBeRealにGucci Princeの楽曲「FXXKED UP feat.week dudus, Tade Dust& Bonbero」を付け、TikTokに動画として投稿している人も多い。スマホを適度に回転させたり、落とさずにすぐシャッターを押したりと投げリアルにはコツがいるため、上手に撮れたら披露したいのだろう。動画を見た人が「自分もやりたい」などとコメントし、撮り方を教わっている。スマホのキャッチに失敗した様子を投稿している動画も多く、大人としてはひやひやするがそれも一興だ。

 制限だらけのサービスで、こうしたミーム(他人の動画を模倣して広がっていく文化)を生み出せるのは、Z世代ならではのパワーだ。おそらく今後も、様々な撮影スタイルが誕生し、それを真似したBeRealが撮影されるのだろう。

アーティストやブランドによる公式アカウントも開始

 BeRealは続々と新機能をリリースしている。2023年12月には、前述のBTS機能に加えて、「RealGroups」というグループ機能を公開した。グループ限定の投稿や、グループチャットが行えるほか、そのグループだけにBeRealを撮影する通知を送れる機能もある。元々親しい友人と楽しむサービスではあるが、より特別な人同士で楽しめる。

 また、2024年2月6日から、公式アカウント機能「RealPeople and RealBrands」を開始した。著名アーティスト、ブランド、スポーツチーム、大学などのリアルな姿を見られる。現在公開中の公式アカウントは、ワン・ダイレクションのナイル・ホーラン、ジョナス・ブラザーズのジョー・ジョナスなどのアーティスト、「アディダス」「プーマ」などのブランド、野球チームのボストン・レッドソックス、UCLAなどの大学だ。2月12日には、コメディアンや俳優で知られるアンドリュー・バチェラー(King Bach)氏がスーパーボウルを観戦している様子をBeRealに投稿した。ブランドや企業がリアルを共有するというと難しそうだが、取材によると公式アカウントは複数人で運営できるとのことだ。今後、公式アカウントは増えていく予定だという。

公式アカウント機能「RealPeople and RealBrands」(出展:BeReal) 公式アカウント機能「RealPeople and RealBrands」(出展:BeReal)
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 BeRealは、「映え」や「盛り」を許さない仕様でサービスを提供し、Z世代の心を掴んでいる。これまで、彼らは誰もが羨むスポットへ出かけ、スイーツや自撮りを撮影し、たっぷりと加工を施してSNSに投稿していた。しかし、そんな作業には疲れてしまったのだ。普段から接している気の置けない友人に、加工ばっちりの投稿を見せ合うのはお互いにストレスでしかない。一方、BeRealは通知が来たら、今の自分をサッと撮影して共有するだけ。すっぴんでも、散らかった部屋でも、友人同士なら立派にコンテンツになる。まだ始めていないZ世代も多いため、ユーザー数も増加していくだろう。

 サービスとしては、運営継続のためのマネタイズが課題となる。BeRealは広告表示をしていないが、公式アカウントを導入していることからも、今後企業との連携を進めていくと思われる。現在、公式アカウントは無料で開設、利用できるので、早めに運用を始めておくのもいいだろう。また、サブスクリプションの開始や有料アイテム販売なども開始する可能性がある。

 いずれにしても、BeRealの課題はユーザー数のさらなる拡大だ。リアルを共有することに抵抗感を持つ大人世代の心を掴めるかかが重要なポイントになるだろう。

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