別荘のサブスクリプションサービス「SANU 2nd Home」(サヌ セカンドホーム)を提供するSanuは4月16日、新たな建築モデルとなる「SANU CABIN MOSS」(モス)を発表した。
MOSSは、環境配慮型建築を手掛けるADXとともに開発した新型キャビン。建築の加工過程の80%をデジタルファブリケーション化し、プレハブ工法により現場での作業を削減したことで、現地での施工期間を2週間に短縮した。これにより、建設業界が直面している人手不足に対処できるほか、雨天や積雪に影響されやすい厳しい自然条件の元で働く人の安全確保にもつなげられるという。
また従来モデルの「SANU CABIN BEE」(ビー)よりも基礎杭を細くし、本数を増やすことで、土壌への負荷を軽減。多面体の形状で雨風を分散し、周囲の生態系への影響を最小限に抑えた。国内需要が減少している日本の銘木「北山杉」を含む国産材を100%使用し、棟の建築コストに占める木材の割合を45%まで引き上げていることも特徴だという。
MOSSは積雪4mの負荷にも耐えられ、多様な自然環境に適応できるとして、白馬、ニセコ、南アルプスなど、豪雪地帯を含む7つの山岳地帯で展開予定。
SANU 2nd Homeは2021年11月に開始した別荘のサブスクリプションサービスで、月額(税込)が5万5000円のサブスクリプション型か、購入金額330万円(年12泊、30年権利)の共同所有型を選択し、セカンドホームを特定多数のメンバーでシェアリングできる。
Sanu CEOの福島弦氏は、「MOSSは、建築空間の快適性や開発時の環境配慮のほか、メンテナンス性の向上も実現している。経年劣化により外壁材などが腐敗しても、ユニットごとにパーツを交換しながら、プロダクトを維持管理できる。持続可能な事業として、工法や建築業のあり方からもう一度見直し、デザイン性を失わずにメンテナンス性を維持できるものを作った」と述べ、今後は旧来の大型開発をベースに制度設計を行っている行政への働きかけなども視野に入れながら、地域の自然を維持しつつ事業を展開していきたいと語った。
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