ソフトバンクは3月12日、飲料メーカーと自動販売機の商品補充やメンテナンスを請け負う自動販売機オペレーター向けに、AIを活用した自販機オペレーション最適化サービス「Vendy(ベンディ)」の提供を開始した。廃棄ロスや品切れ、非効率な巡回によるCO2排出量などの課題解決に取り組む。
全国各地に普及する自販機の年間売上額は約4.7兆円とも言われているが、自販機業界では、担当者が個人の経験などに基づいて自販機ごとの棚割りや補充数、巡回計画を決めるなど、属人的な業務が多いとのこと。Vendyはこの部分のオペレーションを最適化し、人手不足対応、廃棄ロス削減・売上向上に貢献していくという。
ソフトバンクでは、飲料メーカーや自販機オペレーターなど複数社の協力を得て、現場のさまざまな潜在的・顕在的な業務課題を把握したデータサイエンティストが、Vendy用のAIアルゴリズムを開発。
自販機の在庫情報や巡回コストなどのデータを基に、各自販機の品切れによる機会損失を予防しながら巡回コストを最小化するための計画をAIで自動生成。生成した巡回計画は、オペレーション担当者が専用のスマートフォンアプリで確認可能だ。そのほか、過去の売上データを用いた需要予測を基に、商品の入れ替えや巡回にかかる人件費および物流費などのコストを加味し、自販機の利益を最大化するための最適な棚割りをAIが自動生成する。
開発に当たっては、ソフトバンクの社員が自販機の巡回、補充などをするトラックに同乗し、現場の業務を体験して課題を把握してきたとのこと。キリンビバレッジと共同で、キリンビバレッジのグループ会社が運営する自販機を対象に事前検証したところ、実際の現場での有効性やあらゆるオペレーションに対応する汎用性を確認できたという。
Vendyは、10月以降順次、キリンビバレッジのグループ会社が運営する自販機のオペレーションに導入し、2025年9月までに全国約8万台の自販機へ拡大していく予定。自販機のオペレーションに関わる業務時間の約1割削減と、約5%の売上増を見込む。
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