Dynabook、フラグシップノートPC「R9」--「Core Ultra」「Copilot」キー初採用の「AI PC」

 Dynabookは2月14日、高性能モバイルノートPC「dynabook R9」を商品化し、4月下旬に発売すると発表した。

dynabook R9
dynabook R9

 インテルのAI専用エンジン内蔵の最先端プレミアム製品向けプロセッサー「Core Ultra」を搭載し、快適なエッジAI処理を実現するという。店頭予想価格(税込)は29万円半ば。

 
 
  1. 「Copilot」キーにAI向けプロセッサー初搭載のフラッグシップモデル
  2. 生成AIは35年で3つ目の「ゲームチェンジ」に

「Copilot」キーにAI向けプロセッサー初搭載のフラッグシップモデル

 R9は、突起部含く本体サイズが、高さ約15.9mm×幅312.4mm×奥行き224.0mm。重さが約1.05kg。型番は「P1R9XPBL」で、カラーは「ダークテックブルー」のみ。狭額縁設計を採用し、14.0型 WUXGA(16対10、Low blue light、ノングレア、sRGB比100%)液晶を搭載する。

R9の概要 R9の概要
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 採用するマグネシウム合金ボディは、米国国防総省制定MIL規格に準拠した耐久テストをクリア。13.3型モデル(Gシリーズ)並みの薄型、軽量ボディを実現し、高い堅牢性を備えるとしている。

 搭載するインテルのCore Ultraプロセッサーは、「Core Ultra 7 プロセッサー 155H」。16コア22スレッド、高性能と省電力を両立し、AI専用エンジン「AI Boost」(Neural Processing Unit:NPU)と、「Arc」(Graphics Processing Unit:GPU)を内蔵する。AIの処理では、CPU、NPU、GPUの3つのエンジンが融合し、効率的なAI処理ができるという。

NPUのイメージ NPUのイメージ
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 dynabookが長年蓄積してきたノートPCの放熱技術や筐体設計技術などを駆使した「dynabookのエンパワーテクノロジー」を採用。高密度実装技術と本体内部の熱を効果的に排出する小型かつ高効率のダブル冷却ファンに加え、2本のヒートパイプを左右に分けて配置。筐体内部における吸気と排気の流れを可視化し、筐体の表面温度や部品温度などを検証しながら冷却システムを最適化するなど、高性能を安定して維持できるとしている。

 搭載メモリーは32GB、内蔵ストレージは512GB(PCIe対応 高速SSD)。搭載キーボードは、JIS配列準拠、バックライトキーボードを採用する86キーで、キーピッチは19mm、キーストロークは1.5mm。生成AIを活用した「Copilot in Windows」が呼び出せる「Copilot」キーを採用した。

「Copilot」キーを搭載 「Copilot」キーを搭載
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 バッテリー性能は、JEITAバッテリー動作時間測定法Ver.3.0で、動画再生時が約11時間、アイドル時が約27時間。充電時間は電源オフ時で約3.5時間、電源音時で約3.5〜10.0時間となっている。

 低音用と高音用に独立した4つのスピーカーを、キーボード上部と底面に2個ずつ配置。イメージを超える広がりのあるサウンドを目指して上向きスピーカーと下向きスピーカーのバランスをチューニングし、力強い低音とクリアな高音を再現できるという。なお、映画館で採用されている立体音響技術「Dolby Atmos」にも対応する。

 そのほか、AIが周囲の雑音を除去する「AIノイズキャンセラー」「背景の効果」などの機能により、「Microsoft Teams」「Zoom」などのオンラインコミュニケーションを快適にする「Windows Studio Effects」、キー操作ですばやくマイクの切り替えができる「ワンタッチマイクミュート」などを搭載。

 プリセットソフトは、「Microsoft Office Home & Business 2021」に加え、「OneDrive」100GBのクラウドストレージなどの有料サービスを1年間無料で使える「Microsoft 365 Basic」を搭載する。

R9の主な特長 R9の主な特長
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生成AIは35年で3つ目の「ゲームチェンジ」に

 Dynabookは、2024年はAIが多くの業務や処理に関与し、質の高いアウトプットを実現するなど、より身近なものとして進化すると予測。「ChatGPT」をはじめAI関連のサービスが増える中、業務の生産性向上や作業効率化だけでなく、仕事や生活スタイルにも変革をもたらす時代が訪れようとしているという。

 一方で、AIを活用したサービスは、主にクラウド側で処理されることが多いため、情報量の増加に伴い、通信速度の遅延やデータの安全性、サーバーの設備コストや電力消費量の増加など、さまざまな課題もあるとしている。

 Dynabook 国内PC事業本部 国内マーケティング本部の杉野文則氏は、IDCのデータを紹介しながら、「2022年から2023年では、大規模言語モデル(LLM)に代表される生成AIが、市場に認知されてきた。一部で利用する方もいれば、さらなる使い道を研究するということも進んだ。2024年からは、ビジネス・システムともに伸びていく。デバイスもクラウド側、エッジ側両方で進化していく」と話す。デバイスとしての進化は、クラウド側だけではなくエッジ側でAIを活用・処理する能力も求められていると訴える。

IDCのデータを紹介して説明 IDCのデータを紹介して説明
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 Dynabookは、AI処理の一端を担いつつ快適な操作性を追求した身近なデバイスを「AI PC」と位置づける。R9はその先駆けだ。「35周年を迎えた『dynabook』(シリーズ)だが、IT業界は35年間の中で、“1989年のノートPC(dynabook)誕生”、“1990年代半ばのインターネットの普及”というゲームチェンジがあった。今まさに3つ目、生成AIによって生活や仕事、色んなモノが変わる入り口に立っている。時短のほか、アイデアを創出することで個人の限られた志向、思い込みといった壁から解放してくれる。ITに関わる者として、間近でこういった出来事を見られる、体感できることに非常にワクワクしている」(杉野氏)と語った。

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