ANA NEOは12月11日、バーチャル旅行プラットフォームアプリ「ANA GranWhale」の提供を開始したと発表した。
さまざまな旅先をメタバースのバーチャル空間再現。スマートフォンからアクセスし、旅やショッピングなどを楽しめる。
ANA GranWhaleは、自身のアバターを作成し、アプリ上でさまざまな空間を行き来できるプラットフォームサービス。4人でグループを作る「マルチプレイ」機能も備え、離れていても一緒にバーチャル旅行体験を楽しむことが可能だ。
バーチャル旅行空間となる「V-TRIP」では、12月11日時点では、京都や北海道、沖縄などを中心に計64カ所の旅先を用意。各旅先の歴史的建造物やパノラマの絶景を楽しんだり、歴史学者の磯田道史氏をはじめとしたさまざまな「Vガイド」による説明を聞いたりできる。
アバターにポーズを取らせて写真を撮影することも可能。写真はアルバムに保存され、ほかのSNSへの投稿などに使えるという。
旅先とVガイドは順次拡充する予定。京都の一部の旅先では、国土交通省が推進する都市デジタルツインの実現プロジェクト「PLATEAU」のデータを活用しているという。
ショッピング空間となる「Skyモール」では、「ANA FESTA」などのANAグループ4店舗のほか、合計14のバーチャルショップが出店。今後も順次増える予定で、実際の商業施設のように各ショップを歩いて見て回ることができる。
各ショップでは、ショップスタッフとの会話や、アプリ上で利用できるデジタルアイテムや実際のEC商品の購入などができる。限定商品やコンテンツなど、イベント・キャンペーンも実施していくという。
またアプリ内では、さまざまな衣装やアイテムと交換できる無償通貨「グランチップ」を集められる。ログインボーナスのほか、「Skyロビー」やSkyモールのエリア内で毎日獲得可能。V-TRIPに行ったり、季節限定イベントなどでミッションを達成したりすると、より多く獲得できるという。
ANAマイレージクラブとも連携する。ANAマイレージクラブの会員は、アプリ内で使える「Vマイル」を「1マイル=1Vマイル」に交換可能で、ANAのマイルが貯まる「マイルガチャ」も楽しめる。グランチップ同様にミッションの達成具合などで前後するが、当面は平均1日1回ひけるという。
「Skyロビー」から「ANA FESTA」に移動して「Vマイル」でアイテムを購入するところ
ANA GranWhaleは、6月から東南アジアなどでテストマーケティングを実施。今後は北米、欧州などでも展開していく予定だ。ANA NEO 代表取締役社長の冨田光欧氏は「最大の特徴は、グラフィック精度の高さ。リアリティがないと、旅に行った気持ちにならない」とし、実写と遜色ないレベルまでこだわったとアピールする。
なお、「iOS」「Android」版を用意し、それぞれRAM4GB以上、ストレージ8GB以上の空き容量がある端末を推奨するが、「iPad」は非対応となっている。さまざまなデバイスがあるなか、「できる限り多くの方に楽しんでもらうため、世界で1番使われているスマートフォンから開始する。『スマホひとつでバーチャル旅行へ』がコンセプト」(冨田氏)と説明。今後の普及具合を鑑み、対応機種の拡大も検討したいと明かす。
また、「(ANA GranWhaleは)旅に変わるものではなく誘発するもの。リアルの旅の価値は下がらないと思っている。バーチャルでクローズさせず、各地域と協力した連動したキャンペーンなどを展開していきたい」(冨田氏)という。リアルな旅行を誘発し、地域創生の一端を担いたいと語った。
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