CNET Japanの編集記者が気になる話題などを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にエンターテインメント領域を取材している佐藤が担当。今回は11月18日と19日に、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナにて行われた「ラブライブ!」シリーズのライブイベント「ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ 1st Live Tour ~RUN!CAN!FUN!~」東京公演の模様をお届けする。
「ラブライブ!」は、「みんなで叶える物語」をキーワードとして、オールメディアで展開しているスクールアイドルプロジェクト。「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」(蓮ノ空)は、スマートフォン向けアプリ「Link!Like!ラブライブ!」(リンクラ)を基点に、石川県金沢市にある私立蓮ノ空女学院を舞台にバーチャルスクールアイドルとして展開する新規プロジェクトとして、2023年からスタートした。
リンクラを通じて、スクールアイドルの祭典「ラブライブ!」優勝を目指すメンバーたち6人のストーリーが描かれるほか、「With×MEETS」と題して定期的に行われるメンバーたちの生配信、「Fes×LIVE!」と題したライブステージの生配信も行われ、リアルタイムにエールを送って応援できるのが特徴。入学から卒業までの限られた時間のなかで生活するメンバーたちと同じ“今”を感じ、そして過ごすことができる、リアルタイム「スクールカレンダー」連動プロジェクトとなっている。
アプリの本格展開にあわせて、メンバーの声を担当するキャスト陣による活動も開始。動画「せーので!はすのそら!」(せーはす)の配信や生放送番組なども実施している。またキャストが同名のグループとして自らステージに立つライブイベントも「ラブライブ!」シリーズ恒例。蓮ノ空としても、トーク&ライブとなるミニアルバム発売記念イベントやオープニングライブイベントを経て、初めての単独フルライブが実施されることとなった。その1stライブは福岡、東京、愛知の3カ所6公演で行われるツアー。すでに福岡公演が行われており、東京公演は2会場目となっている(※本稿掲載時には愛知公演も開催済み)。
出演したのは、楡井希実さん(日野下花帆役)、野中ここなさん(村野さやか役)、花宮初奈さん(乙宗 梢役)、佐々木琴子さん(夕霧綴理役)、菅 叶和さん(大沢瑠璃乃役)、月音こなさん(藤島 慈役)。両日とも30曲ずつ、約3時間のステージを展開。会場には多くの“蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさん”(※蓮ノ空のファンのこと)が詰めかけたほか、配信も国内外に向けて行われた。
蓮ノ空ではグループ内ユニットとして、花帆と梢(楡井さんと花宮さん)が「スリーズブーケ」、さやかと綴理(野中さんと佐々木さん)が「DOLLCHESTRA」、瑠璃乃と慈(菅さんと月音さん)が「みらくらぱーく!」を結成しており、ライブではそれぞれのユニット楽曲を中心に、これまでメンバーが歩んできた軌跡を振り返るような形で披露。一部楽曲では、Fes×LIVE!などで披露された3Dモデルのメンバーたちが歌い踊る映像をスクリーンに流しつつ、キャストも同じように歌い踊るという、「ラブライブ!」シリーズの特徴でもあるシンクロパフォーマンスと思わせるようなステージも行われた。
冒頭、オーバーチューンとともにメンバー紹介となるオープニング映像が流れてライブがスタート。その1曲目は、リンクラのテーマソングで蓮ノ空始まりの曲でもある「Dream Believers」。アプリのオープニング映像を背景に、場内ではそれぞれのメンバーカラーのコンサートライトが振られ、大きなコールも響き渡るなかで躍動。会場の熱気を高めていく。それに続いた「Yup! Yup! Yup!」ではポップな曲調にのせ、途中は花道を歩きながら歌いつつ、センターステージで軽快なパフォーマンスを見せていた。
6人がそろっての挨拶では、それぞれに自己紹介やコール&レスポンス、さらにはユニットとしてセリフとともにポーズを決める一幕も。特にみらくらぱーく!は、テンションを表現するものとして「ここから……」「ここまで」を、メインステージいっぱいまで走ってセンターステージに戻ってくるという、とても気持ちが高まっていることを示すものに。
またMCのなかで、Day.1では「Yup! Yup! Yup!」の振り付けで「Yup」を書くような手の振り付けを行っていたことや、Day.2ではせーはすで行われた運動能力をチェックする回の収録は、会場近隣である飛田給で行われたといった話題で盛り上がっていた。またDay.2において花宮さんは、喉の痛みからライブパートの歌唱を控えて既存の歌唱音源を使用することが告知されており、挨拶のなかで改めてこのことに触れつつ、自身ができる精一杯のパフォーマンスをと、ダンスで魅せていく意気込みを語っていた。
ここからは、花帆の回想という形でリンクラのなかで描かれているストーリーの「活動記録」をダイジェストで上映しつつ、スリーズブーケとDOLLCHESTRAによるステージに。映像では、花帆が蓮ノ空女学院に入学し、2年生の梢との出会いを通じてスクールアイドルの道に踏み出し、スリーズブーケを結成するところや、蓮ノ空女学院がラブライブ!に優勝したことのある伝統校であること、また同じく蓮ノ空女学院に入学したさやかが、2年生の綴理との出会いを通じてDOLLCHESTRAを結成するシーンなどが映し出される。
ユニットパートはまずスリーズブーケから。全体における3曲目はDay.1とDay.2で異なっており、Day.1では「水彩世界」を披露。同曲のリリックビデオを背景に、映像でメンバーが着用している薄い黄色とオレンジを基調とする衣装をまとってのステージに。王道のスクールアイドル感、そして華やかさがあるスリーズブーケの持ち味を発揮するようなパフォーマンスを魅せていた。またDay.2では「Reflection in the mirror」を披露。アップテンポな楽曲でユニットが持つきらめきを伝えていた。これに続いた「残陽」は、夕暮れ時の切なさを感じさせる曲調のなかで、初めは離れた場所で歌いつつ、曲中で駆け寄り離さないといった曲の世界観を表現するような振り付けも見られていた。
入れ替わるようにDOLLCHESTRAが登場。スリーズブーケ同様、全体における5曲目はDay.1とDay.2で異なっており、Day.1では「Sparkly Spot」、Day.2では「AWOKE」を披露。 「AWOKE」リリックビデオでメンバーが着ている、黒と青を基調とした衣装でパフォーマンス。クールかつかっこいい、それでいて等身大の心情を歌うDOLLCHESTRAの持ち味を発揮するようなステージで、「Sparkly Spot」ではハーモニーを響かせ、「AWOKE」ではリリックビデオをバックに魅惑の空間を作りだして魅了。これに続いた「青春の輪郭」では、青春の1ページを感じさせる楽曲で、2人はトロッコに乗って歌声を響かせる。2人の位置にあわせて、場内のメンバーカラーのコンサートライトが中央からきれいに2色分かれていた光景も壮観だった。
スリーズブーケが登場し、歌ったのは「謳歌爛漫」。Fes×LIVEにおいてメンバーが歌い踊ったライブビデオで映し出された、夜に桜が舞い落ちる光景をイメージできるような、はかなげなステージが展開。さらに「Holiday∞Holiday」でもFes×LIVEのライブビデオが流れるなかでパフォーマンス。このときのキャストが着ていた衣装が、「Holiday∞Holiday」のFes×LIVE時での衣装をモチーフにしていたこともあって、シンクロ感が高まるものに。曲中2人が手をつないで花道を歩くシーンもありつつ、一緒になって手を横に振る振り付けを交えながら、一体感のあるステージを作りだしていた。
DOLLCHESTRAは、「スケイプゴート」を披露。Fes×LIVEのライブビデオをバックに、落ち着いた雰囲気のなかで、どこか心の重さを感じさせる楽曲を歌う。さらに「Tragic Drops」でもFes×LIVEのライブビデオが流れ、メンバーの着ている衣装をモチーフとした衣装でパフォーマンス。アップテンポながら切なさが漂う楽曲を披露した。
そしてスリーズブーケとDOLLCHESTRAの4人が登場し、歌ったのは「DEEPNESS」。作中では学園祭にあたる「撫子祭」で披露したライブビデオをバックにパフォーマンス。スピード感のある楽曲でスタイリッシュに決めていく。このときスリーズブーケは白、DOLLCHESTRAは黒を基調とした衣装であったり、間奏でのダンスパフォーマンスに歓声もあがるなど、目を耳を引きつけて放さないものとなっていた。
瑠璃乃がカリフォルニアから蓮ノ空女学院の1年生として編入し、スクールアイドルクラブに加入するダイジェスト映像を経て、ステージにはDOLLCHESTRAが登場。ユニットの2ndシングル「Mirage Voyage」のジャケットでメンバーが着ている和風衣装をまとい、収録曲である「ジブンダイアリー」、そして「Mirage Voyage」を続けて披露。「ジブンダイアリー」では、曲中で佐々木さんの肩に野中さんが頭をあずけるという、綴理とさやかをイメージさせるようなシーンを交えつつ、心が温かくなるようなステージに。「Mirage Voyage」はFes×LIVEのライブビデオをバックに、ところどころ問いかけるように歌うところが印象的だった。
スリーズブーケも、ユニットの2ndシングル「眩耀夜行」のジャケットでメンバーが着ているポップな衣装をまとい、収録曲の「眩耀夜行」と「Kawaii no susume」を披露。「眩耀夜行」ではFes×LIVEのライブビデオをバックに、2人でいることのきらめきをセンターステージから伝えていく。「Kawaii no susume」ではトロッコに乗って、キュートな楽曲をさまざまな場所から“かわいい”を振りまいていた。
事情があってスクールアイドル活動を休止していた2年生の慈が、瑠璃乃の説得と行動によって復帰するダイジェスト映像が上映され、ユニット名のみらくらぱーく!を宣言すると、場内は大歓声。そして2人の姿とともに「ド!ド!ド!」のイントロが流れると、会場を揺らすほどのテンション大爆発といった歓声とコールが響き渡る。元気あふれるキャッチーなハイテンションソングで、リリックビデオをバックに熱の入ったコールを受けながら軽快に歌う。世界中を夢中にさせるユニットを標榜し、おもちゃ箱のようなにぎやかさがあるみらくらぱーく!の持ち味を発揮するステージとなっていた。
ちなみにこのパートにおけるみらくらぱーく!は、Day.1ではリリックビデオでメンバーが着ていた赤を基調とするドレス風衣装で登場したが、Day.2ではこのあと歌われる「ハクチューアラモード」のリリックビデオでメンバーが着ている、パステルカラーの衣装を着てパフォーマンスをするという変化もあった。その「ハクチューアラモード」は、みらくらぱーく!が持つキュートさに全振りしたように感じられるもので、スイーツのような甘い雰囲気に包み込んでいた。
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