森ビルが運営する「Tokyo Venture Capital Hub」は11月28日、麻布台ヒルズで開会式典を開催した。
日本初の大規模なベンチャーキャピタル(VC)集積拠点となり、リスクマネー供給の拠点として日本経済活性化の起爆剤となることを目指す。
Tokyo Venture Capital Hubは、麻布台ヒルズ ガーデンプラザBの4階と5階に位置し、独立系VCが入居するオフィス区画、イベントスペースに転用可能なコワークエリアと会議室を備えるラウンジで構成する。
日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)や独立系VC、日本の大企業を母体とするCVCが合計約70社集まる予定で、11月現在ではVC13社、CVC29社などが名を連ねる。
場所としての提供にとどまらず、会員が経験・ノウハウを積極的に共有・学びあう「ラーニング」や「イベント」、東京・虎ノ門のインキュベーション施設「ARCH」(アーチ)やスタートアップ向けシェアオフィス「CIC Tokyo」などとも連携する「マッチング」といったサービスを提供していくという。
森ビル ARCH 企画運営室 室長を務める飛松健太郎氏は、日本の課題の1つとして、日本と米国のスタートアップへの年間投資額に差があると指摘。「米国の35兆円に対して日本は0.8兆円と、スタートアップのガソリンともいえるリスクマネーに圧倒的な差がある。VC、CVCというリスクマネー教育を盛り上げる施設が必要」と語る。
また、特にCVCが抱くニーズとして、学びたい、つながりたい、知りたいの3つがあると紹介。「国内CVCの多くは、プロパー社員が人事異動して担当することが多い。その結果として金融・スタートアップ関連の知識や経験がないなかの手探りでやるという実情に迫られる」(飛松氏)と、設立の背景を説明した。
開会式典では、東京都知事の小池百合子氏や経済産業大臣の西村康稔氏、JVCA 会長の郷治友孝氏などが来賓として駆けつけた。
小池氏は、「多くの投資家の方々と交流することは、スタートアップにとって大変貴重な機会だ。東京の企業はもちろん、地方のスタートアップの資金調達もサポートし、オールジャパンの成長をリードしてほしい。(Tokyo Venture Capital Hubが)ユニコーン(企業)を生み出すような拠点として、大きな役割を果たすことを心から期待する」と話す。
森ビル 代表取締役社長を務める辻慎吾氏は、「施設を作るだけではなく、VCやCVCの集積効果をさらに高めるため、皆様が互いに学び合い、先端情報を共有し、必要な人や事業との迅速につながる仕組み、機会を提供する。スタートアップを成長を支える資金の拠点として、皆様の活動や調整を全面的に支援したい」とした。
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