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中高生に流行る「チェーンLINE」の実態と対処法--不幸の手紙、チェーンメールは現在も

 LINEで「チェーンLINE」のトラブルが増えている。チェーンLINEとは、チェーンメールのLINE版で、「このメッセージを5人に送らないと不幸が訪れる」など不安を煽り、不特定多数に拡散させようとするものを指す。チェーンLINEの実態と防ぎ方について解説したい。

  1. 現代の中高生を悩ますチェーンLINE
  2. 5人に1人はチェーンLINEを拡散
  3. インセンティブがある“詐欺チェーンLINE”も
  4. チェーンLINEがきたらどうすべきか

現代の中高生を悩ますチェーンLINE

 「このメッセージを15人に送らないと不幸なことが起きるというLINEがきました。本当に不幸になるのか心配です。転送しないと不幸になりますか」

 「このメッセージを20人に送らないと一生不幸になるというLINEをもらいました。15人も友達いないし、大変なことになりそうなので送りたくありません。転送しないと送ってきた友達にばれますか」

 「X」(旧Twitter)や「Yahoo!知恵袋」「Niftyキッズ」などさまざまな場に、チェーンLINEをもらった子どもたちの相談が多数投稿されている。かつては「不幸の手紙」「チェーンメール」だったが、形を変えて残っているのだ。もらったことがあるという人は多いのではないか。

 筆者も、不幸の手紙やチェーンメールは受け取ったことがある。不幸につながることはないとわかっていたが、単純に不快だったし、周囲には本気で不幸を心配している友達もいたので気持ちはわかる。多くの中高生が、今もチェーンLINEで苦しめられているのだ。

5人に1人はチェーンLINEを拡散

 中高生を対象とした高校生新聞のアンケートによると、なんと82%が「チェーンLINEが送られてきた経験がある」と回答。中高生の間で、チェーンLINEは蔓延しているのだ。

 アンケートでは、「チェーンLINEを受け取ったことがある」と答えた人に、受け取ったLINEをどうしたかについても聞いている。最多は「放置した」(84%)、次いで「破棄した」(24%)となっており、大半はチェーンLINEに対して何もしていなかった。

 一方で、「友達に送った」という回答も21%おり、5人に1人はチェーンLINEを拡散していることがわかった。

 運営会社側では、出回っていると連絡があったチェーンLINEについて、X上で注意喚起を行っている。チェーンLINE自体は法での規制などはできないものの、リテラシー講座などで啓発活動も行われているようだ。


インセンティブがある“詐欺チェーンLINE”も

 「LINE本社がどこまで回るか検証しているので、このメッセージを20人に回してほしい」というチェーンLINEは、度々確認されている。2020年には「コロナの危険性を確認するため」というものだったが、「チェンメの危険性を確認するため」など、名目はさまざまに変わっている。

 「20人に回したら、LINE本社から1000コインでお好きなスタンプ3個、お好きな着せ替え1個プレゼントします」など、インセンティブをちらつかせるあたりはかなり悪質と言えるだろう。これに関しては、LINEの公式アカウントに「これ偽物ですよね?」と確認する中高生が多数いた。

 過去には、アサヒビール、ユニクロ、ローソン、ファミリーマート、ケンタッキーなどの企業を騙ったチェーンLINEも送られてきている。

 アサヒビールの場合、「アサヒビールクリスマスショッピングキャンペーン」などの架空のキャンペーンを装った偽のキャンペーンサイトが、LINE上で拡散。アンケートに回答すると5万円分の賞品当選が表示され、商品を受け取るために5つのグループ、もしくは20人の友人に拡散することが条件として求められる。個人情報を入力する欄もあり、フィッシングサイトで個人情報を窃取される被害につながるというわけだ。

 内容に関わらず、不特定多数への転送を求めるものはすべてチェーンLINEだ。「不幸が訪れる」などの不安を煽る文言がある場合は、確実にチェーンLINEと言える。気になる場合は、内容で検索してみると、「それはチェーンLINE/デマです」などの情報が見つかるはずだ。

 なお、こちらでご紹介した「LINE本社」「アサヒビール」「ユニクロ」などの主体は、名前を悪用されているだけだ。情報として送ると警告などに使用してもらえる可能性があるが、窓口などに問い合わせると迷惑がかかるのでご注意を。掲載されている電話番号なども本物とは限らず、問題ある電話番号が掲載されていることもあるので、電話などはしない方がいいだろう。

チェーンLINEがきたらどうすべきか

 チェーンメールの対処法としては、できれば無視し、けして転送しないのが一番だ。送らないと何となく不安という場合は、迷惑メール相談センターで用意されたメールアドレスに転送するといいだろう。迷惑メールを解析するための情報としても使ってもらえる。

 では、チェーンLINEがきたらどうすればいいのか。

 中高生に聴くと、「送ってきた相手は無視してブロック」「送ってきた子に送り返す」「送ってきた子とお母さんに送る」など、さまざまな手を考えているようだ。

 転送しないと怖いという子には、LINEでしかできない方法として、「公式アカウントに送りつける」という手段も人気だ。無関係な企業のアカウントではなく、LINE関係の公式アカウントに「こういうチェーンLINEがきたので、情報として送ります」として送ると、注意喚起もしてもらえるのでなおいいかもしれない。

 チェーンLINEの転送は、周囲にデマや不快な思いを拡散してしまう問題ある行為だ。転送することで、友人関係にもヒビが入る可能性もある。なるべく無視し、けして転送や拡散に協力しないようにしてほしい。

高橋暁子

ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。執筆・講演・メディア出演・監修などを手掛ける。教育出版中学国語教科書にコラム 掲載中。元小学校教員。

公式サイト:https://www.akiakatsuki.com/

Twitter:@akiakatsuki

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