アップルは日本時間10月31日、新型プロセッサ「M3」シリーズ、および同プロセッサを搭載した新型「MacBook Pro」シリーズと「24インチiMac」を発表した。いずれも現時点で予約可能、発売は11月7日を予定している。
新製品の価格は、「M3」搭載の14インチMacBook Proが24万8800円(税込、以下同)から、「M3 Pro」搭載の14インチと16インチMacBook Proがそれぞれ32万8800円と39万8800円から、「M3 Max」搭載の14インチと16インチMacBook Proはそれぞれ53万8800円と55万4800円から。
デザイン面では従来モデルを踏襲するものの、M2 ProとM3 Max搭載モデルに限り新色のスペースブラックを用意。ダークアルミニウムに陽極酸化皮膜を施し、指紋の付着も減らしたという。
新型MacBook Proシリーズの目玉は、性能を向上させたM3プロセッサの搭載だ。最先端の3nmプロセスで製造されており、これは髪の毛の断面に、200万個のトランジスタを詰め込むのと同等の微細設計だという。
加えて、最上位の「M3 Max」では、最大128GBのユニファイドメモリを選べるようになった。
M3シリーズでは特にGPUの性能向上に重点を置いており、新たに「Dynamic Caching」という仕組みを導入。従来のGPUではハードウェアのローカルメモリの使用量を事前に割り当てていたが、これをリアルタイムで割り当てることで、高負荷時のGPUの平均使用率を向上させた。
また、Macとして初めてハードウェアレイトレーシングに対応。ハードウェアメッシュシェーディングにも対応し、より視覚的に複雑なシーンの表現を可能とした。
レンダリング性能の比較では、M1シリーズ比で2.5倍、M2比で1.8倍の性能向上を果たしたという。
CPUアーキテクチャにも改良も加えた。高効率コアの性能はM1シリーズ比で50%、M2シリーズ比で30%、高性能コアの性能もM1シリーズに比べて30%、M2シリーズ比で15%、それぞれ高速化したという。
このほか、ニューラルエンジンもM1シリーズ比で60%、M2シリーズ比で15%高速化した。また、ビデオコーデックのハードウェアアクセラレーションには、従来のH.264、HEVC、ProRes、ProRes RAWに加えて、新たにAV1デコードを追加した。これによって、より電力効率の高いストリーミング再生が可能となった。
M3シリーズの中位モデルであるM3 Proは、750億個のトランジスタと18コアGPUを搭載。GPUはM1 Proより最大40%高速化しているという。
また、12コアCPUは、6つの高性能コアと6つの高効率コアという構成で、シングルスレッド性能でもM1 Proより最大30%高速だという。加えて、また、最大36GBのユニファイドメモリに対応する。
最上位モデルのM3 Maxは、920億個ものトランジスタを搭載。40コアGPUはM1 Maxより最大50%高速だという。また、16コアCPUは12個の高性能コアと4つの高効率コアで構成され、M1 Max比で最大80%高速化したという。
このほか、ノートPCでありながら最大128GBものユニファイドメモリに対応する点も明かされた。
新しいMacBook Proに加え、24インチiMacにもM3搭載の新製品が登場した。こちらも11月7日に発売予定。価格は19万8800円から。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」