Ubieは10月16日、医療機関向けサービス「ユビーメディカルナビ」において、生成AI(LLM:大規模言語モデル)を活用した機能「問診要約機能」をクリニック向けに提供開始したと発表した。
同機能は、患者がユビーメディカルナビで回答した20〜30問の症状や、生活習慣などの情報と、フリーテキストで入力した医師への相談内容をLLMが要約するものとなる。
これまで複数の医療機関での実証実験を実施しており、医師からの高い満足度を獲得したことを受け、今回の正式リリースとなった。
ユビーメディカルナビは、医療機関の業務効率化を支えるAI問診サービス。紙の問診票のかわりに、スマートフォンやタブレットを活用するのが特徴で、患者ひとりひとりの症状に合わせた、詳細な事前問診が可能。また、電子カルテ記載に伴う事務作業も大幅に削減できるという。
同社によると、働き方改革への意識が高まる全国の急性期病院から、各地域のクリニックまで、2023年10月時点で47都道府県・1500以上の医療機関が導入しているという。
全国の医療機関での活用が進む一方で、事前問診により詳細な情報が得られるため、情報量が増加。かねてより、利用する医師から「患者さんの症状や相談したい点をより端的に把握し、患者さんとのコミュニケーションにより多くの時間を使いたい」という声があったという。
そこで、こうしたニーズに応えるため、普及が急速に広がるLLMの強みである要約機能を生かし、同機能を開発した。
なお、同機能は、現役医師を含めた開発チームと、医療・ヘルスケア領域における生成AIなどのイノベーションと安全性の両立を目指す研究組織「Ubie Lab」(2023年7月に設立)が共同で開発。
安全性と信頼性にも配慮し、要約による情報の見落とし防止の観点から、デフォルトは要約前の原文、要約時もつねに要約前の原文を参照できるセーフティネット構造を採用しているという。
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