全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は10月11日、10月10日から継続している全国銀行データ通信システム(全銀システム)の障害について、明日10月12日朝8時半までの復旧を目指すと明かした。全銀ネットで理事長を務める辻松雄氏は「おそらくうまくいく」と述べた。
今回の障害では、全銀システムの中継コンピューターを新ハードウェア「RC23シリーズ」に交換した際に、新ハードウェアで「内国為替手数料」をチェックするソフトウェアに不具合が生じた。中継コンピューターは2台ありバックアップ体制が敷かれていたが、交換は2台同時に行われ、しかも2台とも同じソフトウェアが使われていたために障害を防げなかった。
全銀ネットは障害が発生した10月10日の夜から10月11日未明にかけて、プログラム改修による復旧を目指したが、うまくいかなかった。その結果、翌日の10月11日も終日障害が継続することになった。
そこで、明日10月12日未明にかけて、再度のプログラム修正を試みるという。昨日の改修では、銀行間の内国為替手数料などの電文も全て参照する複雑な修正プログラムを適用した結果、改修は失敗に終わった。今回の改修では、内国為替手数料をすべて「0円」とみなすなど、大幅に簡素化した修正プログラムを適用することで、成功の蓋然性を高めるという。
全銀ネットで理事長を務める辻松雄氏は「ベンダーと協議しているが、おそらくうまくいくだろう」と語った。また、全銀ネットで企画部長を務める千葉勇一氏も、確実に修正できるとの手応えを述べた。
内国為替手数料を0円とみなす簡易なプログラムでも、ユーザーへの影響はないという。「(新たな修正プログラムでは)いわゆる内国為替手数料は別に処理する。先に付け替え電文が受信銀行さんに届くため、お客様への影響はない」と辻氏は説明した。
なお、今夜実施する修正が失敗すれば、明日10月12日以降も同様の障害が継続する可能性があるという。また、障害の原因がサイバー攻撃ではないかとの質問には「そうではない」と否定した。
(更新)全銀ネットの不具合が復旧した。10月12日午前8時半から通常通り利用可能になった。
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