従業員は仕事を失うことを恐れて生成人工知能(AI)の導入に反対していると思われているかもしれない。だが、従業員らは生成AIによってさまざまな仕事が自動化されることを望んでおり、生成AIが導入されれば今の職場にとどまる可能性が高まると考えていることが、新たな調査で明らかになった。
Workhumanが米国のフルタイム従業員1000人を対象に、職場における生成AIについての考えを調べた「Human Workplace Index」によると、回答者の半数以上(58.4%)が、生成AIによって自分の仕事がリスクにさらされているとは感じていないと述べていた。
さらに、回答者の38.5%がAIによってデジタルコミュニケーションが円滑になるはずだと述べるなど、労働者はAIが職場でのコミュニケーションを強化したり拡大したりするのに役立つと考えていることが明らかになった。
職場でのデジタルコミュニケーションには、「Slack」のメッセージや電子メールなどを使ったチーム内の日常的なコミュニケーションだけでなく、人事評価や業績評価を伝えることも含まれるが、このような業務はテキスト生成AIに代行してもらうことが容易だと考えられる。
調査によれば、AIが生成したメッセージと人間が書いたメッセージを見分けられるとした回答者はおよそ半数に過ぎず、職場でAIを使ってメッセージを自動化できる可能性を示す形となった。さらに、調査に参加した432人の管理職のうち、40%近くが生成AIを人事評価に利用する用意があると答えていた。
また、労働者は生成AIが労働環境を良くしてくれると確信しているようだ。回答者の19%が、生成AIが導入されれば今の職場にとどまる可能性が高まると述べ、回答者の32.2%が、生成AIは自分の仕事を奪うのではなく楽にしてくれるものだとの考えを示していた。
労働者が自動化を望んでいる業務を具体的に見てみると、時間やスケジュールの管理(36.4%)、メールの作成や送信(33.5%)、簡単なコミュニケーション(29.7%)、経理(22.7%)、出荷や物流(22.3%)、事務作業(21.1%)、業績評価や人事評価(19.2%)、クリエイティブな業務(19%)、雇用や採用(17.6%)、肉体労働(14.4%)などがある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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