スマートホームのプラットフォームサービス「SpaceCore」(スペース・コア)などを手がけるアクセルラボが8月9日、スマートホームに関する調査報告会を行った。自宅にインターネット環境がある、スマートホームの利用経験がある、あるいは利用を検討している18~69歳の一般消費者と、20~69歳の不動産事業者が対象で、調査方法はインターネットリサーチ。調査期間は4月21~26日だった。
まず、スマートホームという名称の認知度は、2019年に行った調査と比較して内容認知が12.9%から37.2%に増加。非認知は43.5%から33.3%に減少していることから、一般消費者にスマートホームが徐々に浸透していることが伺えるとした。利用状況も、2019年調査では導入層が1.8%だったのに対し、2023年調査では4.03%に増加。検討層も、7.42%から9.66%に増加している。
続いて、スマートホームを認知している層は、年齢は30~34歳、居住エリアは関東地方、性別は男性、職業は経営層・役員、次いで自由業が最も多いとした。また住宅種別では、内容認知において持ち家のマンションに住んでいる人が高い数値を示し、賃貸と比較すると非認知層で約6.5%の差異が確認された。このことから、アクセルラボのマーケティングユニットでユニットリーダーを務める浅野有汰氏は、「スマートホームを住宅購入時の標準あるいはオプション設備として、不動産事業者から提示される効果が出始めている」と解説した。
スマートホームを導入したきっかけは、家電の購入、買い替えが最も多い。導入した時期は1年以内が最も多く、直近3年間は昨年比約150%の成長が確認されている。アクセルラボは、2026年には普及率が18.53%になり、キャズムの超過点になるだろうと予測した。
導入したスマートホーム機器はスマートスピーカーが最も多いが、利用を検討しているスマートホーム機器はスマートロックが最も高く、導入率1位のスマートスピーカーは8位となっている。このことから、スマートスピーカーはイノベーター的なユーザーの興味を惹く機器ではあるものの、単体でできることや生活上で得られるメリットがわかりにくく、より実利的なメリットを求めているユーザーへの訴求力は弱い可能性があるとした。
スマートホームの導入層に対してスマートホームの満足している点について質問したところ、生活の便利さ、コストパフォーマンスの高さなどは81.8%と高いが、初期設定の簡単さについては12.43%のユーザーが不満と回答。一般消費者が自ら購入してセッティングを行うことは依然としてハードルが高く、アクセルラボとしては、セットアップされたスマートホームとして提供するパターンが最適であるとしている。世界標準の通信規格であるMatterもこのセットアップの簡略化についてはスコープ内であるとして、今後より簡略化されたスマートホームが市場投入される機会は十分にあると予測した。
また不動産事業者への質問として、自社内でスマートホームが強化分野になっているかに関して質問を行ったところ、全業種平均で80.4%の事業者が強化分野であると回答したという。
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