Greenway Grid Global(GGG)、Digital Entertainment Asset(DEA)、東京電力パワーグリッド(東電PG)は、電力アセット(電柱や鉄塔などの東電PGが所有している設備)を活用した、参加型社会貢献コンテンツの検討に向けた覚書を締結。NFTを活用したゲームコンテンツの開発を発表した。
これは3社が持続可能な社会の実現を目指し、Web3の技術を使った課題解決について検討することを目的としたもの。開発を検討するコンテンツは、共に持続可能な未来を創ることをコンセプトに、ユーザーがそのコンテンツを楽しみながら、インフラ企業が抱える課題の解決を目指すものとしている。
内容としては、ユーザーが電柱や鉄塔を撮影し、その画像を「電力アセットNFT」として価値化することを基本としている。そして「Play to Earn」(ゲームで遊んで稼ぐ)の考え方を用い、ミッションなどを設定する形でゲーム性を付与し、プレイ内容に応じてトークンを獲得できるようにするという。東電PG側ではその画像を分析することで、設備異常の早期発見につなげ、保守点検の効率化を図るとしている。2024年初頭には東京電力管内の一部地域で、試験運用の開始を目指す。
説明会に登壇したGreenway Grid GlobalのInnovation Managerを務める鬼頭和希氏は、東京電力管内に約4万5000基の鉄塔、約600万本の電柱が設置されており、それ自体は社会インフラを支える重要な設備である一方、価値が“それしかない”というものでもあり、さらに景観を損ねるなど邪魔なものという見方がされているところも否めないという。そんななかでも、鉄塔や電柱の写真に興味がある方が存在していることにも触れ、鉄塔や電柱に新たな価値を付与し、提供していきたいと語る。
また、Digital Entertainment AssetのFounder&Co-CEOを務める山田耕三氏は、社会課題の解決における新たなアプローチとして、ゲームにおける行動変容もひとつの手法としてあること、Play to Earnを取り入れることは、行動変容のパワーを倍増させる効果があることを説明。同社では、2020年5月からNFTゲームプラットフォーム「PlayMining」を展開しており、3年間のサービスを通じてこのあたりに手応えを感じているという。ゲームやインセンティブを活用した課題解決は、Web3ソリューションを使用しなくても実現は可能ではあるものの、社会課題は日本のみならず世界全体にわたって起きているものであり、課題をクロスボーダーとしていくならば、Web3の技術は必要であることを付け加えた。
本作の内容については検討段階としつつ、“電柱を愛でる”をキーワードに、鉄塔や電柱に意味を付け直して誰にとっても役に立つものであること、そして街中で宝物を見つけるような感覚にもなれるような世界を作っていきたいとした。
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